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2026-06-05 勉強のこと

要約は万能?

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師、住吉那巳枝です。


「要約の問題集もやらせていて、要約はできているんですけど、国語が伸びないんです」とおっしゃる保護者の方がいらっしゃいます。

要約は大事! 要約ができれば国語はできるようになる!
一般的にはそういわれます。確かに一理あります。
しかし、すべてのお子さまにあてはまるわけではありません。

算数を直観的思考優先で処理するタイプの子には、要約練習があまり役立たないことがあるのです。このタイプは対処法が違うので、要約練習を続けても伸びにくいのです。

算数を直観的思考で処理するタイプの子は、文章全体を通して筆者が言いたいことをつかめてしまいます。

「あ、これが話題で、ここが要点で、これが結論」

このように、文章の大枠をすぐに見抜きます。したがって、要約をさせても、それなりにきちんとまとめることができます。

ただし、その結論に至るまでの理解が曖昧なことが非常に多い。

具体例は、何を説明するために出されているのか。
反論を示すことで、筆者は何を明確にしようとしているのか。
どの出来事とどの結果が、因果関係にあるのか。
対比を用いて、話題のどの側面を検討しているのか。
何が共通し、何が異なっているのか。

こうした途中の論理を、厳密に押さえていません。

本人の中では、話題から結論までが一気につながっています。しかし、その間でどのような処理をしたのかが言語化されていない。算数で、答えはすぐに出せるのに途中式を書かない子がいますが、その国語版とでもいうのでしょうか。

国語の設問では、文章全体の結論だけではなく、まさにその途中の論理が問われます。

「この具体例は何を説明しているか」
「なぜここで反対意見を取り上げたのか」
「何と何を比べ、何を明らかにしているのか」
「この結果が生じた原因は何か」

そのため、文章全体の主張はわかっているのに、設問には正解できないということが起こります。

このタイプに必要なのは、要約を繰り返すことではありません。

「この一文は何のためにあるのか」
「この具体例によって、直前の何が説明されているのか」
「AとBを比べて、筆者は何を言おうとしているのか」
「相違点と共通点は何か」
「この結論は、どのような順序で導かれているのか」

このように、文章の途中を細かく分け、一つずつ言語化させる練習が重要です。細部理解を重ねて全体理解につなげる練習が必要です。

要約は大切な学習ですが、要約ができれば読解力全体が伸びるわけではありません。文章の大枠をつかむことと、論理の過程を正確にたどることは、別の力です。要約を過信するのは、少し危険だと思います。

なお、算数を直観的思考優先で処理する子は、小学五年生の後半あたりから算数でもつまずくことがある、と算数の先生から聞いたことがあります。考え方の過程を整理し、論理を言語化していないと対応できなくなるそうです。

国語では、文章中の細かな論理関係そのものが問われる設問が多いため、その影響が算数より先に表れやすいのかもしれません。
 

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