お知らせ

2025-11-18 勉強のこと

「時間切れ」になる本当の理由、知っていますか?

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師、住吉那巳枝です。

この時期、小学6年生の指導で最も多く耳にするのが「時間が足りません」「読むのが遅いからでしょうか」という言葉です。

でも、ちょっと待ってください。
本当に「読むのが遅い」ことが原因でしょうか?

実は、時間切れになる最大の原因は《解き方》にあります。
読む速さだけの問題ではないのです。


そこで、ご家庭でできる「時間切れ対策」チェック!

塾やプロの家庭教師が行っているチェックを、ぜひご家庭でも試してみてください。必要なものはストップウォッチ、問題のコピー、筆記具だけです。

1) 読書スピードの確認
文章の文字数をざっくり数え、時間を計測し、1分あたりの文字数を算出。1分あたり500~600字読めていればOK。450字までは許容。
速読にこだわる必要はありません。むしろ上記より速い場合、かつ解答精度が低い場合は読み飛ばしの可能性大ですから、速すぎも危険です。

2) 視線の動きを観察
視線が左右に動いたり、隣のページを見てしまうのは集中が乱れている証拠。
また、わからない箇所で止まり、何度も同じ部分を読み返すのも時間ロスになります。

ポイントは、「わからない=止まる・何度も読み直す」ではなく、「わからない=とりあえず先へ進む」という姿勢。「おそらくこうかな?先を読めばわかるかも!」という気持ちで読み進みましょう。もっといえば、設問に関係なければ無視、必要ならあとで再確認でOK。


3)小問ごとの解答時間を計測
正確に秒単位で計測し、メモ。解き終わったらお子様と確認して4の作業へ。
抜き出し問題に2〜3分以上かかっている場合、やり方を見直すべきサインです。一方、抜き出しで10数秒で答えが見つかることも多々あります。これにより問題を解くのには時間がかかるという根拠のない思いこみを消すこともできます。


4) 解答プロセスをチェック
ありがちなNG行動:
・答えを探すために冒頭から読み直す
・正解が見つかっているのに正解ではないと判断し他を探す
・選択肢を一つ読んでは本文へ…の繰り返し

主な原因:
・問いから「どの部分を読めばいいか」を絞れていない
・字数カウントのミス
・選択肢の読み比べの手順が非効率

抜き出し問題の解答を15秒で発見。でも字数を数え間違えて他の箇所を探しだし、3分経過。結局答えを見つけられない、ということが実際にあります。

★精読こそ、最も効率的な時短!
文章がしっかり理解できていれば、設問への解答はスムーズになります。
逆に、速く読もうとするあまり、内容が頭に入っていなければ、結局時間は足りなくなる。

大切なのは「読むスピード」ではなく「理解の質」です。

★焦りが招く「いつもと違う解き方」
模試や過去問演習で点数が悪かったとき、「速く読まなきゃ」と思うあまり、普段と違うやり方になるお子さんは少なくありません。焦りは冷静さを失わせ、無駄な時間を生みます。

だからこそ、「速く読めば解ける」ではなく、「無駄を減らせば時間は足りる」という視点を持つことが、合格への近道です。

国語の問題は、「内容を正確に理解しているか」を見るものです。
焦らず、丁寧に読み、無駄なく解く。この基本に立ち返ることで、国語の点数は必ず伸びていきます。これは4年生でも5年生でも同じです。学年に関係なく、精読は重要です。

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