韻文(詩・短歌・俳句)の授業って意味ありますか?

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

「韻文(詩・短歌・俳句)の授業って意味ありますか?」

この質問をされる方は多いです。

詩・短歌・俳句。入試で出題されることってあるの? 必要ないんじゃないの? この期間は塾を休ませて弱点補強させたいんですけど……

そう思われているならちょっと待ってください。

確かに詩・短歌・俳句が出る学校はごく一部です。定番化して出している代表例は関東なら筑駒・関西なら灘でいずれも最難関です。でも、ここ数年、少しずつではありますが変化が起きています。大阪女学院では出題されやすくなっていますし、今年の入試では清風南海が傾向を変えて詩を出題、大阪星光で俳句の季語を出題しました。去年は神戸女学院も出していますね。

清風南海は事前に傾向を変えることを教えてくれる親切な学校ですが、どこもそうとは限りません。

今後どうなるか。現在の高校1年生が最初に受けることになる大学入学共通テストの影響は考えておくべきでしょう。

昨年の7月に大学入学共通テストのマークシート式のモデル問題例が公表されました。その中の文学的文章で短歌・俳句が扱われました。短歌について書かれた評論を比較検討して読み、さらにそれらの評論についての生徒たちの会話文も読んで、問題を解く形式のものです。これまでの試行調査では詩・短歌・俳句は扱われてはいませんが、モデル問題で出されたのであれば、今後の試行調査・プレテストで出題されるかもしれません。

そしてその影響は高校入試や中学入試にも生じるかもしれません。今年の中学入試の入試傾向を見ると、大学入学共通テストで問われる力を意識した出題が見られます。また、一部の都道府県の公立高校入試の出題傾向の変化を見てもこうした影響を感じることがあります。

ですから、詩・短歌・俳句の授業を休むことは基本的にはおすすめしません。

次回(数日以内に更新予定です)詩・短歌・俳句の学習のポイントをお話したいと思います。まずは、詩・短歌・俳句は感性が豊かでなければ無理! などという思い込みを捨てましょう。詩・短歌・俳句ができない! という生徒は、まずこの思い込みで解けなくなっていますから。文学的文章でも同じですけれどね。答えのヒント・手がかりは言葉と表現技法の中にたくさん隠されているのです。