接続詞と接続語って何が違うの?

 こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

接続詞と接続語の違い。
 
明確に説明できますか?
 
接続詞は品詞としての呼び名で、接続語は文の成分としての呼び名です。
品詞は、動詞・形容詞・形容動詞・名詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞の10種類。
文の成分は、主語・述語・修飾語・接続語・独立語の5種類。
品詞は、単語を種類で分けたもの。
文の成分は、文の中でその文節がどのような働きをしているかで分けたもの。
 
接続詞と接続語がややこしく感じられる原因は、名前が似ていること、接続語は一単語で一文節を作れてしまうこと、接続語には接続詞のほかに副詞や助詞も含まれることにあるのかもしれません。
 
 文節とは、文を区切ったときに意味として不自然にならない最小の単位のことです。文節は、「自立語(一単語で意味が通る言葉)一語」、もしくは、「自立語一個+付属語はなくてもいくつあってもOK」です。
 
たとえば、「駅に着いた。すると、ちょうど電車が行ったところだった。」
これを文節に分けると、「駅に/着いた。/すると、/ちょうど/電車が/来た」
これを、品詞で見た場合と文の成分で見た場合とで比べると、以下のようになります。
「駅に」は「名詞+助詞」で《修飾語》「着いた」は「動詞+助動詞(過去)」で《述語》、「すると」は「接続詞」で《接続語》、「ちょうど」は「副詞」で《修飾語》、「電車が」は「名詞+助詞」で《主語》、「来た」は「動詞と助動詞(過去)」で《述語》になります。
 
さきほど、「接続語は一単語で一文節を作れてしまう」、「接続語には接続詞のほかに副詞や助詞も含まれる」と書きましたが、「接続語は一単語で一文節を作れてしまう」は上記の例でわかると思います。では、「接続語には接続詞のほかに副詞や助詞(接続助詞)も含まれる」。これはどういうことかわかりますか。
 
たとえば「さらに」。「さらに」は品詞としては副詞ですが、添加の接続語です。ややこしいのが「また」。これは副詞もあるし、接続詞もある。「また明日来ます」なら副詞で「来ます」を修飾している修飾語。「この本は興味深い内容だ。また、役にも立つ。」なら接続詞で接続語。助詞は接続助詞と言われる「ので」「から」などのこと。これらたついた文節は接続語になります。たとえば、「雨が降ったので、地面が濡れている。」は、「降ったので」が接続語。
 
文法を嫌い! と言う生徒が多いのは、こうした情報を整理して覚えていないことにあると思います。また、生徒自身も保護者の方も文法がどう役立つのかピンと来ていなことも影響しているように思います。
「国語の文法なんて知らなくてもだいじょうぶでしょう? 入試でもほとんど出ないし」と思われるかもしれませんが、これを理解していないと英文法の理解でつまずきます。知っている子は文法の理解がはやい。小6まで学校以外で英語学習をしていなくても中学英語にしっかりついていけている生徒は、文法を正確に理解しています。品詞は英語と日本語では異なりますが、概念の理解に役立ちますし、主語・述語・修飾語は英語にもありますからね。英語だとSVOCに加えてM(=modifier)と略されるものが修飾語です。