JT生命誌研究館ー国語の力と体験

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

大阪の高槻市にあるJT生命誌研究館(ホームページはこちら→ JT生命誌研究館)をご存知でしょうか?

現在の館長は生命誌研究者の中村桂子さん。

この名前を目にしたことがある人は多いと思います。どこの塾のテキストでも1回は素材文として作品が取り上げられていますし、入試でも頻出、模試でもよく出ます。私自身も模試の素材文で使用したことは何度もあります。

生命誌とは、人間も自然の一部であるととらえ、人間を含め、多様な生きものたちの『生きている』様子を見つめることを通してどう生きるかを考える知のこと。自然・生命・人間について考える場が生命誌研究館です。生命誌研究館は博物館ですが、学芸員の方だけでなく第一線で活躍している研究者の方々が常駐し、研究を行っているという珍しい博物館です。

理科が好き! 植物・動物など生き物が好き! というなら、ぜひ一度生命誌研究館に行ってもらいたいなと思います。(興味がなくても行ってもらいたいなと思いますが、無理強いするつもりはありません。)

人類のルーツ、生命のルーツをたどりながら、生きていること、命、生と死について考えてみる貴重な機会になると思います。

こうした体験は、考える力を引き出してくれます。生命誌研究館に行ったから読解力がつくわけではありません。でも、考える力を引き出すきっかけにはなるでしょう。それはいずれ、これから何度となく聞かれることになる、「あなたはどう考えるの? あなたの考えは何?」という問いに答える力につながっていきます。

また、これまで中村桂子さんの文章を読んだことがあるなら、生命誌とは何かを実際に目にすることで理解を深めることができるでしょう。「あれってこういうことだったのか」、「生命誌ってこんなやつなんだ」と気づくだけでも収穫です。

国語の力をつけるために、文章を読むこと・問題を解くことは不可欠です。しかし、同じように「体験」も重要です。体験したあとに得た知識は理解しやすくなるからです。生命誌研究館に行かずに生命誌についての文章を読んでも理解できないことが多いでしょう。でも、訪れた後に読むと、よく理解できるようになるはずです。「あ、これ、知ってる!」と感じるでしょう。この「あ、知ってる! 体験した! やったことある!」という感覚は、文章を理解するうえで必ず役立ちます。

春休み、春期講習もとても大切ですが、息抜きも兼ねて、こうした博物館を訪れてみるのはいかがでしょうか。