夏期に身につけたい力ー逆を考える(対比の応用)

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

夏期講習が来週から始まりますね。

小6生が苦手克服や記述力向上を目指す際、夏に身につけておくと過去問演習時に役立ち、もちろん入試でも減点を減らし、記述の得点率を上げる考え方をひとつご紹介。

それは、逆を考えて、明確に書かれていない事柄を読み取る力です。

わかりやすい例で説明します。

「日本家屋の部屋は空間を自在に変えられる、障子や襖などの可動性のあるもので部屋を仕切っている。壁もドアもない。つまり西洋家屋とは全く違うのだ。」(*オリジナル)という文章。

「西洋家屋とは全く違うとはどういうことですか。西洋家屋の特徴がわかるように答えましょう」という問いがある。この場合「空間を自在に変えられる、障子や襖などの可動性のあるもので部屋を仕切っていない。」とすると不十分です。「空間を自在に変えられる、障子や襖などの可動性のあるもので部屋を仕切っていないなら、どうなのか」と考えます。すると、「日本家屋の部屋は空間を自在に変えられる、障子や襖などの可動性のあるもので部屋を仕切っている」のとは「違う」のですから、「壁やドアにより仕切られているため、空間が固定されている」と考えて答えを作ります。「~ではない」で終えてしまうと、それでは具体的にどういう特徴があるのか不明瞭で、この不明瞭さは減点対象となります。

ここでは、「空間を自在に変えられる」⇔「(空間を自在に変えられない=)空間が固定されている」、「障子や襖などの可動性のあるもの」⇔「壁やドアという動かせないもの」という対比関係を考えることがポイントです。

「~ではない」と考えたら、「~ではないならどうなのか」と考えることを習慣づけておきましょう。また、これは選択肢問題でも役立ちます。「~ではない」とあいまいな表現の選択肢ではなく、「~ではないならどうなのか」までを述べているものを選びましょう。