塾の予習ですることは?

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

 

予習を禁止している塾はありますが、塾が想定している予習がどのようなものなのかはっきりわからないのでその方針の是非はさておき。

まず、「予習=問題を先に解く」ということではないということは覚えておいてください。

国語の予習で大切なのは、文章を理解して問題を解くまでの下準備です。問題を解くことではありません。特に国語が苦手なら下準備をしっかり行うことが大切です。塾に行って初見の文章を先生が読み、解説する。質問を交えて説明することもありますね。でも、国語が苦手な子は、先生の説明を聞いてわかった気になって帰宅。宿題の問題演習では、なんとなくわかった気になって、わからないことがあっても、問いに関する説明を思い出して、先生がこういうふうに言っていたからこうだろうという姿勢で問題を解いてしまいます。考えて解くというよりも記憶を頼りに解こうとする傾向があります。これでは意味がありません。

では、どうしたらいいか。

国語の予習では以下のことを行いましょう。

1)音読:音読をしていてつまずく部分はそもそも知らない言葉か、意味のあいまいな言葉である可能性が高いので、その言葉については意味を確認しましょう。また、言葉のまとまりや言葉の意味を意識する習慣のない子はなんでもないようなところでつまずくことが多いです。「~てから私はきものをかたづけた」という文があるなら、「~て から私 はきものを かたづけた」のように「自立語+助詞」ではなく「助詞+自立語」のまとまりで読んだりします。これは言葉の単位に対する意識が薄いことの表れです。語彙力の弱さもありますが、意味のあるまとまりで言葉をとらえるように注意する必要があります。また、単純にカタカナ・ひらがな・漢字をきちんと覚えていないこともあるので、文字を正しく読み書きできているか注意しましょう。たとえば、「通り」を「とおり」と読めていますか? 「とうり」と読んでいる場合は、漢字の読みを正確に覚えていないだけでなく、仮名遣いがきちんと身についていない可能性もあります。「おおきい」を「おうきい」、「おうさま」を「おおさま」としていないかなども確認してみましょう。

2)既習漢字(ふりがなのない漢字)の確認:音読でつまずいたときに既習漢字の読み方がわからないのであれば、その漢字をチェックして音読み・訓読みの確認、部首と筆順の確認、できればその漢字を使った熟語を書き出して語彙力の強化もしてみましょう。

3)意味調べ:意味のわからない言葉は調べましょう。

4)学習項目の確認と到達目標の決定:指示語・接続語・場面・心情など、テキストの見出しに注意して理解する項目を確認します。学習する項目を頭に入れ、今回の授業で自分ができるようにすることを決めましょう。たとえば、「場面」という見出しがあるなら、「場面を理解するために登場人物・時間・場所に注意して場面が変わるところを理解できるようにする」というように決めてみましょう。総合回であるなら、それまでに学習した単元で自分が苦手だと思う点にしぼって決めましょう。

予習は、授業を主体的に受けるために行うものです。「これをできるようにする!」という意識を持って授業を受けることは理解度・定着度を向上させます。塾に行って、先生が文章を読むのを聞いて、説明を聞いて帰ってくる。問題を解いて、答え合わせだけして帰ってくる。これだけでは成績はあがりません。大切なのは主体的に授業を受けること、自分の今の弱点を明らかにして自覚し、その部分を克服するという意識をもって授業に出席することです。予習はそのための手段です。

また、保護者の方がそばについて予習をすることで、お子様の弱点把握にもなります。