要点・要約・要旨の違いーまずは要点まとめから
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
生徒に「各段落の要点をまとめてね」、「この文章の要約をしてみて」、「要旨をまとめて」と言うことがあります。すると、要点・要約・要旨の区別がついていない子がとても多いことに気づきます。中学生でも区別がついていない子もいれば小4で区別がついている子もいます。
では、どう違うのか。
まず、国語で「要点」という場合、それは段落ごとの重要な点を指します。「要点をまとめる」とは、キーセンテンスや重要文と言われるものを見つけて抜き出し、まとめることを意味します。
次に、「要約」。これは文章全体の形式段落ごとの要点をつなげてまとめることを指します。各段落の要点をもとに、重複しているところは一つにまとめ、文章の流れにしたがって短くまとめるのです。
そして、「要旨」。これは筆者が文章全体を通してもっとも伝えたいことを意味します。「要旨をまとめること」と要約との違いは、文章の流れにしたがってまとめる必要はなく、筆者の主張・意見に絞ってまとめるため、要約よりも短くなり、一文でまとめることもできるし、見出しのようにまとめることもできるという点です。
テキストなどで要旨をまとめるという問題が出てくることがありますが、手も足も出ない場合は、まずは段落ごとの要点をつかみ、その中から筆者の意見が書かれているものを抜き出してまとめましょう。筆者の意見と事実を、文末表現に着目して見抜き、事実が書かれているものは省き、意見がわかるものに絞ります。その中で筆者が最も伝えたいことが書かれているものをもとにまとめましょう。
国語で点数が取れない子は、基本的に要点まとめや要約が苦手です。要旨をまとめるのも難しい。しかし、中には要旨や要約はまとめられるのに要点まとめがうまくできない、要旨はわかるけれど要点まとめ・要約がうまくできない、という子がいます。その場合、なんとなく文章を読んでいたり、細部の読解をいい加減にしていることがとても多いものです。こういう子は文章の大枠はわかるけれど、細部読解の問題で間違いが多いのです。模試で全体内容を問うものは解けるけれど、簡単な細部読解問題で落とすという傾向もあります。
要約の効果として、一般的に読解力の向上と文章力の向上があげられますが、要点まとめ・要約を行うと、こうした細部読解での見落としを減らすことができるようになり、無意識に行っていた読み飛ばしを防ぐことができるようになるからです。また、重要なところを見抜くという目的を意識して文章を読む習慣が身につき、正しい日本語表現も身につきます。
国語が苦手な子はまずは、段落ごとの要点まとめからはじめてみましょう。また、それなりに点数はとれるけれど基本的な細部読解問題で間違いが多い子もためしてみてください。