時間切れの原因
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
各塾、模試の結果が出始めていますね。
国語の点数が取れないという場合、時間がたりなかったというのはよく聞きます。
時間切れの原因はさまざまですが、文章によって時間切れになる場合とならない場合がある場合、読む速度に問題はないと考えたほうがいい。これを読む速度が遅いからと考えて対策をすると、成績はもっと下がります。
「今回のテストは時間が足りなかった。時間配分を間違えた」という場合、文章理解の面で大きな弱点があると考えてください。
理解できる文章は誰でもすらすら読めるものです。では、なぜ理解できないのか。
原因①
語彙力不足。言葉の意味がわからない。文脈から意味を推測しようとしない。一部のわからない言葉に引きずられてパニックになり、全部がわからないと思い込む。わからない単語の周辺で読み直しを繰り返したり、止まってしまう。
原因②
単元ごとの力不足により論理展開や文脈理解ができなくなる。たとえば対比や、具体と抽象。これらはよく出てきますが、何と何が対比されているのか、読み進めるうちに頭の中で整理ができなくなり混乱し、読み直しが発生する。具体と抽象の関係が複数ある場合、どれがどれを抽象化しているのか、具体化しているのか整理できなくなる。
語彙力の強化は不可欠です。とはいえ、すべての言葉を覚えるなんて現実的ではありません。熟語であるなら漢字から意味を推測する、文章の前後のつながりから意味を推測することを習慣づけましょう。わからない言葉や表現が出てきてもあわてないこと。文章を読み進めるうちにその意味や内容がわかるということは特に物語や随筆では多いのです。それなのにパニックになって「この言葉が分からない→文章がわからない」と思い込み、そこで止まってしまう。その言葉を理解する手がかりがあるのに読み落としてしまう。わかるものもみずからわからないようにしてしまっているのと同じです。
単元ごとの力不足はテキストを活用して基本から確認しましょう。たとえば、対比が弱いなら、テキストの解説部分を再度読み直すこと、そして対比を意識しながら問題の文章を読むこと。実は、これをしていない子はとても多いのです。塾でも扱わない先生もいるようですし、問題を解くことや文章内容の説明は受けても、単元と文章内容の説明の関係がつかめないまま授業を受けてしまい、結局その単元で習得すべきことが身についていないということが多々あります。塾のテキストの多くは、「場面と出来事」「心情理解」「対比」「意見と根拠」「具体と抽象」などに単元が分かれています。これができていないと思ったところはその単元を復習しましょう。どの単元が弱いのかわからない場合は、テスト結果の小問正答率ごとにある項目や解説が手がかりになります。それでもわからない場合や、項目からでは判断できない場合は塾の先生などに確認してみてください。