過去問演習は効率的に!
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
中学受験生は直前期。過去問演習に取り組む日々だと思います。通常授業も過去問演習という塾もあれば、通常授業は通常テキストでという塾もありますね。
さて、過去問演習を塾で行うと、塾で先生が解説をして確認をしていきます。全問解説の塾もあれば、難しい問題や間違えた人が多かった問題のみ解説する塾もあります。重要問題に絞って解説をする塾もあります。そして、間違えた問題についてはその復習が宿題として出されることがあります。
ここで注意が必要です。特に、難しい問題・間違えた人が多かった問題のみ解説する授業の場合です。入試では、100点を取る必要はありません。また入試問題の小問レベルは、大きく3つのレベルに分けられます。細かくわけると6くらいになりますがここではわかりやすく3つに分けます。
A:難問 B:標準 C:基礎
構成としては、Aは0~20%、BとCで80~100%。Aが0というのは学校によっては難問は出さない学校があるからです。
最も多いのは、Aは10~20%、BとCで80~90%。
すると、みんなができなかった問題はAレベルに該当している確率が非常に高い。では、この問題、解けなければいけないのでしょうか? 入試の合格ラインは得点率55~75%の間にほとんどの学校が収まります。ですから、10~20%程度のAレベルの問題が解けなくても、B・Cレベルの問題をしっかりとれば合格ラインは超えるのです。難しい問題・間違えた人が多かった問題のみ解説する授業で注意が必要と言ったのは、このことと関係しています。
授業で扱われた問題を間違えていた、先生の解説を聞いたけれどよくわからなかった、でも宿題だから家で復習しなければいけないからもういちど解いてみる。考え方を復習してみる。わからない。時間がどんどんなくなる。
でもこの問題は捨てていいのです。わからなくても問題ない。極端な話、復習する必要もない。ところが、塾の先生の説明を聞いてもよくわからない問題に何時間もかけてしまう子が一定数います。そのため、より時間をかけるべき問題が手薄になる。B・Cレベルの問題で点を落とすほうが危ないのにそれに気づけなくなってしまう。
本来はB・Cレベルの問題での落としがなぜ生じたのかを徹底的に解明して解けるようにしなければいけないのです。A問題の復習よりも優先すべきはB・Cレベルの復習です。みんなが取れる問題での落としは大きく足を引っ張ります。理解できていなくて間違えたならしっかり復習を、しょうもない間違いで落としたならしっかり反省して次に同じミスをしない。たとえば、設問文の指定見落としとか、解答欄の書き間違いとか……。これは模試の復習でも同じです。最難関を受けるとしても正答率5%未満の問題は切り捨てていい。
塾で扱われた問題がその子の志望校合格のかぎになる問題でないなら、そこに時間をかけすぎるのは無駄です。
入試までに与えられた時間はみな同じです。その時間を志望校に必要な力の養成に使っていただきたいと思います。