国語の単元を意識したことはありますか?

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

保護者の皆さんは、国語の単元というものを意識して学習したことってありますか?

国語の単元って何でしょう?

物語・随筆・説明文・論説文・詩などが単元と思われがちですが、国語の単元は「指示語」「接続語」「対比」「具体と抽象」「要点」「要旨」「場面」「情景」「登場人物」「心情」「主題」「対比」「具体と抽象」といったものだと考えてください。

教材によっては「物語①―場面」「物語②―登場人物」というように書かれていたり、「場面」「登場人物」と、単元を目立たせて書かれているものもあります。この単元に対する意識があるかないかで国語の伸びは大きく変わります。

「今回は物語! 来週も物語!」と思って問題を解いている子と、「今回は物語の場面、来週は物語の登場人物」と思って問題を解いている子では意識の向き方、学んだ知識の使い方が異なります。後者の場合、登場人物を意識しながらも先週習った場面も意識して文章を読みます。設問は登場人物を問うものが中心ですが、場面を意識することで前回学んだことの復習ができます。そして次の週では場面と登場人物を意識しながら「心情」の単元を学習する、その次の週は場面と登場人物、心情を意識しながら「主題」を学習する。これを継続していくと、文章を読むとはどういうことかがわかります。この積み重ねが1年後、2年後、大きな差になります。

国語ができない子は「どう読んでいいかわからない」「どこに線を引いたらいいかわからない」と言いますが、読み方の基本は学習しています。塾で教わってはいます。ただ、単元に意識が向いていない。単に問題を解いているだけなんですね。たとえば、理科なら「天体の月の動きだから、地球と月の位置関係を理解して問題を解かないと!」と明確に意識できます。しかし、国語ではなかなかそうならない。「指示語」だから「こそあど言葉を覚えよう」「指示内容の探し方を覚えよう」とはなかなかならない。それは教える側の問題やテキストの構成の問題にもあるのかもしれませんが、一定量の文章を読んで答えるという国語の教科特性が影響している。国語のテキストの大半は一定量の、最低でも1000字程度の文章を読んでから問題を解きます。すると、文章を読んでいる段階で文章理解に意識が向いてしまって「指示語」を意識できなくなる。難しい言葉が出てくると「わからない」となってしまい、「指示語」はどこかに消えてしまう。こういうことがとても多いのです。単元を意識しないと、問題を解くだけで単元ごとに必要な解き方・考え方が身につきにくいのです。

ですから、国語が苦手なら単元を意識した学習をしているか確認してみてください。意識していないなら、「今週は指示語の内容をしっかり読み取ろう」、翌週になったら「先週は指示語をやったから、指示語も意識しながら今週の接続語をしっかり覚えて印をつけながら読もう」というように毎週授業で理解する目標を明確に示してあげてみてください。もちろん、漏れはでます。それはかまいません。常に今何を学んでいるのか、これまで学んだことは何かを意識することが大切です。

入試問題はこれらの単元の融合です。この単元意識が身についている子は、設問文から「この問題では傍線の前にある指示語内容をとらえればいい」「この問題では対比を押さえるんだ」「この問題は具体と抽象を押さえないと」ということが見えてくるのです。

でも実際は、この単元意識がないまま6年生になってしまっている生徒がとても多い。授業で、「指示語・接続語・繰り返し出てくる言葉・対になる言葉に線を引きなよ」「心情語に線を引きなよ」としつこく言います。でも、できない。これができない子はまず「単元意識」というものがないのです。

難関以上の合格を目指すなら、できるだけ早い時期からこの「単元」を意識した学習を行ってみてください。