医学部入試の注目校―高槻中学

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

先月10日に発売された『プレジデント10月1号 特集 一流校vs二流校vs三流校◎人生のおトク比較』「教育のプロがズバリ予想。2020年大改革◎新・大学入試で伸びる学校30」の理数系授業の熱心校に品川女子学院、芝浦工業大学附属、都立小石川などと並び、高槻中学が掲載されています。医学部入試に強い学校として。実際、医学部に行きたい・行かせたいというご家庭では高槻中学を候補に入れるご家庭が非常に増えているのを感じます。

私が指導している子の中にも高槻中学志望者は年々増えてきています。男子校だったころのイメージとはまったく変わっています。共学化、大阪医科・大阪薬科との合併、SGH指定校になったことなど、人気が出るはずです。

気になる入試問題ですが・・・

国語の問題については、問題レベルに大きな変化はありません。これまで通り、言語事項・漢字・読解とバランスのよい設問構成です。言語事項・漢字は基本的なものが大半で、同訓異字や同音異義語は出やすい。中学配当以上の漢字も出題されますが、中学受験用の漢字学習をしっかり行っていれば問題ないものです。大問構成を具体的に見ると、論説文・随筆文・物語文の中から2種類出ます。2018年度入試から漢字の問題が単独出題になりました。2016年あたりから関東の私立中学で漢字・言語事項の単独出題校が目立ってきましたが、そういった流れがあるのかもしれません。また、2018年度入試では、読解問題で生徒同士が文章について論じている会話文があり発言内容の空欄を埋める問題や、文章について述べた生徒の発言の中から不適切なものを選ぶ問題が出題されました。不適切なものを選ぶ問題は選択肢も長めで6択というものでした。記述問題は、基本的なものから自分の言葉で具体化もしくは抽象化することが求められますので、この点はしっかりとした対策をした方がいいでしょう。字数は最大60字程度で決して多い字数ではありません。しかし、この程度の字数の場合、正確に問われていることをとらえて、解答に含めるべき要素と含めるべきでない要素を見抜き、要領よくまとめる必要があります。字数が少ないからといって簡単なわけではないので注意が必要です。選択問題はまぎらわしいものはそれほどありません。論理展開を正確につかめているか、段落ごとの要点を把握したうえで要旨をとらえることができているか、文脈を正確にたどることができているか、こうした基本的な力を見ている問題が中心で、これらの力は将来の医学部受験でも必要となる力です。特に問われたことに簡潔かつ的確にまとめる力は非常に重要です。高槻中学の国語は決して難問ではありませんし、高度な国語力を求めるものでもありません。しかし、将来の大学入試に対応するための基礎となる力を見るものとなっています。

高槻中学のレベルは年々上昇しています。問題レベルは上がっていませんが、合格ラインがかつての6割程度から7割程度まで上がっています。「当たり前に解ける問題」の基準が上がっていますから、ささいなミスが命取りになります。ちなみに、算数・理科は国語よりも難しいので、注意が必要かと思います。この点は算数・理科のプロの方にお聞きください。