先生がうれしいときって合格したとき?

 

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

生徒から、「先生がうれしいときって、やっぱり合格したとき?」と聞かれることがある。

もちろん、合格したときはうれしい。

でも、それだけだと、おそらくこの仕事を続けていくのはつらくなるのではないだろうか。いや、続かないな、と私は思う。

 

私がうれしくなるのは、日々の授業の中で、生徒が「あ! そっか」と言ってくれたとき。

「国語力がつきました!」という保護者の方からの言葉を聞くとき。

毎回の授業で、生徒や保護者の発するちょっとした一言で、私はとってもうれしくなっている。

でも、なによりうれしいのは、自分が教えた生徒が社会人になり、自分の人生をちゃんと歩いて、社会の一員として生きているのを見たときなんですけどね。最初に教えた生徒たちは30代になっていて、それぞれの人生を歩いている。彼らの近況を知り、とてもうれしくなったり複雑な気持ちになったりする。

中学の教科書にも載っている「握手」(井上ひさし作 講談社文庫『ナイン』所収)のルロイ修道士の気持ちがしみじみとわかるのです。

主人公は、自分が育った天使園という児童養護施設の園長であるルロイ修道士に「楽しかったことは何ですか」と尋ねます。

するとルロイ修道士は、「天使園で育った子共が世の中に出て、一人前の働きをしているのを見るのがいちば楽しくて何よりもうれしいのだ」と答えるのです。

合格後の、その先の長い長い人生を、しっかり生きられるように、そのための基礎力を国語指導を通して身につけてもらいたいと思いながら、今日もがんばります。