2020年度入試 高槻中学A日程国語
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
高槻中学A日程の国語の雑感です(分析というほどではないので)。
大問1 稲垣栄洋「世界中を大きく動かした植物」
農業がどこでどう発展し、人類に何をもたらしたかについて述べた文章です。
書き抜き1題
選択肢5題(文整序・空欄補充ふくむ)
記述3題(30字以内2題・45字以内1題)
続けて出ていた語句の並べ替えによる文作成の問題はなくなり、文の並べ替えが新たに出題。文のキーワードを押さえればすぐに並べ替えが可能なレベルなので、文作成の代わりとして適切なレベルかと思います。書き抜き・選択肢の問題は標準~やや易。
書き抜きは語注の意味で惑わされた子にとっては、2つのうち1つは厳しかったかもしれません。選択肢は、傍線部の後をていねいに読み、話の展開を押さえずに答えると間違える問題がありました。「傍線部の近くに答えがある」という思い込みを持っている子は間違えてしまう選択肢が入っています。傍線部の前だけでなく直後の指示語も押さえないと間違える問題もありました。
記述問題は問2の記述はシンプルな設問文から何を答えるべきかを正しく理解できていないと得点できません。見当違いな答えが出やすい問題です。問5は指定がはっきり書かれているので、この指定を無視したら0点。指定語句が大きな手掛かりになっています。この言葉を手がかりに解答の根拠となる場所を特定し、そこにある指示内容をしっかり押さえれば解けます。問8の記述は、傍線の指示内容を押さえたうえで答えられているかがカギ。これを落とすと要素不足になります。
大問2 東憲司「めんたいぴりり」
恩を忘れない義理堅いが、後先考えない行動をとる主人公の姿を描いた場面です。この文章の舞台は戦後の日本。主人公は朝鮮半島で1914年生まれた日本人で、日本に戻り博多で食料品店を営んでいます。
選択肢8題
記述2題(30字以内・50字以内)
語句意味は2問出題で共学化した2017年から例年通り。言葉の意味がわからなくてもそこまで状況・心情を押さえれば解ける問題です。言葉を知っていれば即答。知らなくても文脈把握力のある子なら解ける問題。
選択肢はバランスのよい設問構成。心情・様子・理由理解・表現内容の理解など。難問というものはないですね。
記述問題は、いずれも主人公の心情を理解する必要がありますが、いずれも人との関係において主人公の気持ちがどう変化しているのかをとらえられていないといけません。ある人物(この文章では、アイスキャンディ売りと妻)の発言に着目し、その発言に主人公が何を思ったのかを読み取ってまとめます。けっして難しい問題ではありませんが、何があってどう気持ちが動いたのかをとらえてまとめることを意識していないと、要素不足になります。
2018・2019年A日程で出ていたAさん~Fさんの発言内容のうち本文と合わないものを選ぶという問題が出題されませんでした。
明日のB日程で出るのか?
漢字は常用漢字(小学校で学習しない漢字)からの出題が2017年は多かったのですが、2018・2019同様、2020年もすべて教育漢字からの出題となっていました。難しくない感じですが、小学生にとって聞きなれない熟語に注意しないといけませんね。これは他の同レベル以上の学校でも同様です。