過去問演習答案を最大限活用しましょう!
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
本日は朝の授業が学校説明会でお休み、午後イチの授業が生徒さんが新型コロナのワクチン接種と重なったためお休みとなり、めずらしく夕方から4時間だけになりました。土日は7~8時間授業なので執筆仕事の傍らひさびさにちゃんとしたブログ更新です。
過去問演習が本格化してきていますね。塾のテキストは、9月以降はなく基本過去問演習中心になる塾もあれば、テキストありで過去問演習は基本家庭でという塾もあります。夏から過去問演習開始の塾もあれば、10月までは過去問演習をしないようにという塾もあります。
いろいろな情報が乱れとぶ中学受験。(中学受験に限りませんが)
情報過多により何をしたらいいのかわからなくなってしまう、これがいいと言われればそれに飛びつき、また別の方法がいいと言われればそれに飛びつき……。そんな状況に陥るご家庭が増える時期でもあります。
魔法のように成績が向上する方法・奇跡の逆転を起こす特別な方法。これらの方法の本質は実はとてもシンプルです。合格に必要なことをすること。何を当たり前のことをと思われるかもしれませんが、その当たり前のことができていないのです。
たとえば過去問演習。ひたすら過去問をやれば受かる? いえ、そんなことはありません。最低限志望校の問題に対応できる土台が固まっていなければいけません。そして、正しい方法で過去問を解き、復習し、弱点を見抜いて補強しなければいけません。
過去問演習の意義はいろいろありますが、今の時期、最も重要なのは、志望校の問題の出し方に合わせて、自分がこれまで身につけた力を過去問演習で発揮できるように活用していくことです。算理社であれば頻出単元がありますよね。学校によってはこの単元は出しますよ!と教えてくれることもあります。国語でも「詩は必ず出します」「文法事項は必ず出します」というように教えてくれる学校があります。そういった明らかにわかる部分だけでなく、「この学校はひとつひとつの設問内容を確実に理解していることを前提に最終問題を答えさせるから、部分理解を重ねて全体理解につなげていくように鍛えないといけないな」とか、「ここの学校は指示語には絶対に線を引かない。あえてはずして作問して指示語の問題であるかどうかを本人が気づけるかまで見ているから、傍線の前後の文脈は特に意識させないといけないな」とか、問題の出し方を理解したうえで、本人の弱点がどこかを見抜き、補強をすることが必要になります。ある学校では指示語に線が引いてあるからすぐに答えられる。でも、別の学校では指示語を外して線が引いてある。その場合は、傍線の前後の指示語があるかどうか確認できないと答えられません。傍線部を含む一文、あるいはその前後の文まで視野を広げて読めないなら、その力を鍛えなければいけません。
単に過去問を解いて数をこなしても意味がない。過去問演習ではその答案分析が最重要です。点が取れた取れないに一喜一憂してはいけません。
現在小6生7名を見ていますが、過去問演習に入ると同じ学校の過去問でも間違える原因がおもしろいほど違います。先々週2人の生徒さんがたまたま同じ年度の同じ学校の過去問に取り組みました。採点しているとその子の読み方のクセ・思考のクセが見事に反映されていました。毎回Comiruというアプリを使って指導報告書を配信していますが、同じ過去問を解いてもアドバイスは全く違うものになっていて、読み返しながら答案って個性が出ておもしろいな~と改めて思いました。正答できるかどうかが設問そのものの難易度と関連のないことはけっこうあります。その子の読み方のクセや思考のクセの影響のほうが大きいからです。ですから、それぞれにあった指導をしないと伸びません。
塾の過去問演習の答案はどういった指導が必要かを教えてくれる、情報の宝庫です。答案分析を行って適切な方法で修正していけば、志望校に通ります。小6夏・秋以降の不定期指導で合格した生徒はこれまで何人もいますが、行ったのは上記のことだけです。もちろん読解の基本がまったく身についていない子については、過去問を使って読解の基本から徹底指導も同時並行で行います。この時期は簡単な文章で理解していく余裕のない時期なので、難しかろうがなんだろうが志望校のレベルの文章を使います。簡単な文章ばかり読んでいても力はつきません。段階的に上げていくのが理想ですが、そんな余裕のない時期なので荒療治をします。
上記の分析や対策は受験生を指導する個別・家庭教師の先生であれば当たり前にしていることだと思います。集団塾の授業は一般的な各学校の傾向別対策を教えてはもらえますが、授業内での個別対応は難しいと思います。ただ、質問すれば先生方は教えてくれますので、塾の先生にどんどん質問していくのも有効です。入試まで100日を切りました。利用できるものを最大限利用して、志望校合格に向けて力をつけていってください。