過去問演習の進め方
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
過去問演習の開始時期、これは塾によっておそろしくばらばらです。
大手塾は秋以降に解くようにというところが多いですが、中小塾だとGW明けから行っているところもあります。
プロ家庭教師仲間を見ていますと、算数は夏前、国語は生徒の様子によって早い子は5年生からということもあります。
私の例ですと、最難関受験者については、5年生の2学期から中堅校の過去問演習から始め、志望校に関係なく、まずは深い読み取りを要求する学校の過去問演習を行います。志望校の過去問に取り組む時期は生徒によってことなりますが、処理力については入試に対応できる読解力がついた秋以降~直前期に強化します。多いのは夏前~9月開始というパターンです。
7月の夏期講習前に過去問を解くと、今の実力と志望校に必要な力の差を認識できて夏期期間の学習のモチベーションアップに使える場合もあります。
さて、実際に過去問演習はどのように行ったらいいのでしょうか。各塾から過去問演習のやり方についてはお知らせがあると思いますが、効果的な過去問演習方法について以下にまとめます。
〔塾での過去問演習の場合〕
・時間配分を意識する。「今日は大問1の読解のみ解く」というような場合でも、指定された時間の中で全問解けることを目指して時間配分をしていきましょう。初めのうちは時間切れになってもかまいません。
・問題構成を意識する。→解きやすい問題から解いてOK。わからなかったら飛ばす判断力を養う。
・塾で問題の難易度を教えてもらえるなら、必ず印をつけて、A:できなければいけない問題、B:できるほうが望ましい問題、C:できなくてもいい問題にわける。A・Bについては、解答の根拠を明らかにしてノートに間違えた理由と解き方をまとめること、わからなかったら先生に質問するなどして理解し、1週間以内に自力で解けるようにする。Cについては、直前期までに可能であればできるようにする。
・記述問題を間違えた場合は、自分の答えを先生に必ず確認してもらう。
・記述問題作成時に出る自分の悪いくせをまとめておくこと。自分でできないなら先生に教えてもらうこと。(→二重表現の多発による要素落としが多い、主語と述語がねじれやすいなど。)
〔自宅での過去問演習の場合〕
基本的には上記と同じですが、いくつか追記します。
・家では志望校の過去問を中心に解くことになるはずなので、学校別に専用ノートをつくって、最低3回は行う。2~4週間は間隔をあける。2回目以降解くときでも、文章と設問文をきちんと読んで解く。記憶に頼らない。→答えを覚えているから意味がないのでは?という方がいますが、漢字は答えを覚えていても問題ありません。むしろ覚えていなければ意味がありません。読解問題についてもなぜその答えになるのかの経緯をきちんとまとめられるのであれば問題ありません。それができないなら答えを覚えていることになりますから、その場合は、解答を導く手順を本人にまとめさせれば問題ありません。答えを覚えている子でもこの段階でいやでも「考える」作業が発生します。
・2回目以降解くときは、前回できていたのに間違えたという問題は特に注意。感覚で解いていた可能性があるので、根拠をしっかりと復習する。
・記述問題の解答は塾の先生、個別指導の先生、家庭教師などに採点してもらう。過去問と同じ解答である必要はありません。正解となるポイントはどこかを必ず確認しましょう。解答を導く手順を確認し、得点となるポイントを確認します。字数によりますが、採点ポイントは内容面で2~3の採点ポイントがあり、表記もチェックされます。内容面では、要素が少しでもあれば加点するという方式の学校のほうが多いですが、文末表現を間違えたら0点という学校もあるので注意が必要です。表記については、1文字間違えるごとに1点減点という学校もあれば、表記ミスは一律1点減点などとしているところもあります。学校ごとの特徴もできれば確認しましょう。一番いいのは学校説明会で確認することです。
・12月になったら1日使って、入試と同じ時間割で、受験科目すべてを解いて見る。