答案用紙は情報の宝庫

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

答案用紙は情報の宝庫です。国語で点がとれない=国語力がない、とは限りません。注意力・集中力の影響が大きく影響しているために点が取れず、偏差値が下がっている子は意外なほど多くいます。この注意力の影響で、数十点を落としてくる子もいます。特に算数はずばぬけてできるのに国語だけできない子に多く見られます。

「国語だけできない」「家庭教師を!」と考える前に、お子様の答案をチェックして、ご家庭で、お子様自身で改善できるところはないか確認してみてください。

答案のおもなチェックポイントは以下の通りです。

【記述問題】

国語力がわかる部分です。ここで点が取れない場合は、読解力か表現力に、もしくは両方に原因があります。ただし、指定を無視した解答は0点になりますから、この指定を落としているなら注意力に問題があります。また、誤字脱字による減点も同様です。これは自力で改善可能です。

 

【漢字・語句】

この問題での失点が多いのは、明らかに語彙力不足・漢字の練習不足です。漢字学習とともに学習した漢字が使われている言葉の意味も覚えていきましょう。可能なら対義語や類義語、対応する外来語があるならそれらも覚えます。

 

【書き抜き問題】

理解できていないことでの間違いなのか、注意力不足による間違いなのかを見分けます。指定を落としていないでしょうか? たとえば、「句読点はふくまない」「直後の〇字を書きぬく」とあるのに、句読点を入れたり、直前部分を書きぬいていませんか? 文字の書き写し間違いはありませんか? ある生徒さんは、復習テストで点数が取れない。書き抜き問題を見ているとほぼすべてにおいて「句読点はふくまない」という指定無視や写し間違いがある。それに本人も気づいていない。理解力の問題ではなく、あきらかに注意力の問題です。これだけで毎回失点があり、多い時は20点くらい落としている。記述問題にも誤字脱字があるため、減点になる。これらが解消されるだけで点は大きく上がります。こういったことがないか、注意してみてください。なお、白紙や答えを書いていてもまったく内容が違う場合は、解き方・読み方に問題があります。

 

【答案の筆跡】

答案の初めから最後まで、同じ筆跡・筆圧を維持できていますか? ここから集中力やどのように問題を解いたのかがわかります。長文が二つあり、大問2の筆跡はしっかりしているのに大問1は雑な場合、大問2から解いて大問1は時間切れか、集中力が切れたかな? と想像できます。「時間は足りた」という言葉が出たら、明らかに集中力切れです。大問2を先に解いたとわかったらその理由を聞いてみてください。「解きやすそうだったから」という判断ができているならそれはとてもいいことですからほめてあげてください。

 

【白紙】

ある部分からすべて白紙になっているのは時間切れの可能性が高いですが、ところどころの白紙は「この問題には時間がかかる」と判断して白紙にした可能性が高いので、その判断はほめてあげてください。白紙があまりにも目立つ場合は時間切れの原因を突き止めてから対策する必要があります。

 

テストが返ってきて復習をしないと、採点ミスを見逃すことがあるという話(テストの復習をしないと、採点ミスを見逃すことに……)をしましたが、それ以上に重要なことを見逃すことになります。自分で改善できることがあるなら、まずは自力で改善するほうが絶対にいいのです。まずは、ご家庭でできることから取り組んでみてください。