漢字学習について

小学校で学習する漢字は、学年ごとに決まっていますが、教科書によって学習する順番は異なります。また、すべての読み方を一度に学習するわけではありません。たとえば、「空」。この漢字と「そら」という訓読みはすべての教科書で小1下で学習しますが、教科書により下巻の前半だったり、後半だったりします。「クウ」という読みは、光村の教科書では小3上で、東京書籍では小2の下で、三省堂と教育出版は小1下で、学校図書は小2上で学習します。(ちなみに中学校の漢字は、3年間で学習する字数は決まっていますが、学習する時期は教科書によってばらばらです。ある教科書では中1で学習するものが別の教科書では中3で学習することもあります。)

学校とは違う学習順で、学校では習っていない読み方も学習することになる汎用版の漢字ドリルでは、漢字が苦手なお子さんにとっては負担になります。

では、漢字学習に最適なテキストとはなんでしょうか?

実は、各学校で宿題として出される「漢字ドリル」がいちばん使いやすいのです。関西の小学校ですと、新興出版、青葉出版、教育同人社などが多いでしょうか。これらの教材に共通しているのは、すべて教科書準拠であること、また、漢字の読み、筆順だけでなく、漢字の意味や成り立ちなども書かれていることです。宿題では、各漢字をノートに写したり、練習問題を書いたりするように言われると思います。この作業をていねいに、きちんと行いましょう。そして、必ず、漢字の意味と読みかたを覚えるようにしてください。意味を覚えることは、読み方を覚えるのと同じくらい大切です。語彙力や文章読解力に影響してくるのです。

そのほかのドリルを使いたい場合は、小1なら小1の、小2なら小2の教科書に準拠した漢字ドリルをおすすめします。汎用版の漢字ドリルを使う場合は、前学年の漢字が不安な場合に使用すると負担がすくなく、効率よく学習できます。汎用版でも、文の一部を漢字に直す問題のみが載っているものと漢字の意味や筆順なども載っているものがあります。漢字が極端に苦手な場合は、前者ではなく後者を選ぶことをおすすめします。

漢字の意味を覚えていない状態でただ書いて覚えようとすることは、避けるようにしてください。漢字を記号として認識してしまうことになり、熟語の組み立ての理解する際や、漢字の意味から熟語の意味を推測する際の妨げとなります。