浜学園で記述力をあげるには?(どこの塾であってもあてはまりますが)

ここ数年、浜学園の生徒さんからの依頼がとても多いです。学年関係なくですね。

そして去年から記述力錬成テストについて受けるべきかどうか聞かれることもほんとうに多くなりました。

浜学園の公開では記述問題がありません。記述力を鍛えるためのテストということで、記述力錬成テストが作られたのでしょうが、復テの記述問題でほとんど点が取れない生徒さんの場合、受けてもあまり意味がありません。それは、記述力錬成テストが悪いという話ではもちろんありません。一定レベル以上の力があるなら、ぜひ受けて、活用していただきたいとおすすめしています。ただし、復テの記述問題で点が取れない生徒さんにとってはこのテストは負担にしかなりません。復テの記述問題がいつまでたっても点が伸びない場合、復習のしかたに問題があるからです。国語の読解力も記述力もまだまだ弱いままです。それなのに、公開に加えて記述力錬成テストまである。復テ、公開の復習もいっぱいいっぱいで行っている。記述力錬成テストでは点がほとんど取れず、復習もできないので、受けっぱなしになる。このレベルの場合、講評や解説を読んだところで、深く理解することはできません。一定レベルに達していないなら受けないほうがいいです。

それよりも、まずは復テの復習を以下のような方法で行ってみください。

①一度文章を読む。このとき、説明的文章の場合は、指示語と接続語、繰り返し出てくる言葉に印をつける。余裕があれば筆者の考えだとわかる文末表現に印をつける。(「~ではないだろうか」、「~だと思われる」、「~したい」など)、文学的文章の場合は、登場人物と気持ちがわかる言葉に印をつける。

②正解した問題については、なぜその答えにしたのか、理由を聞く。

③まちがえた問題についても、なぜそのような答えにしたのか、理由を聞く。(白紙の場合は、④へ)

④次に、設問文(問の文)で何が問われているのかを確認する。(理由なのか、心情なのか、内容なのかなど)

ここまでで、間違えた原因が、A)設問文を読み違えている場合と、B)本文を読み違えている場合、の二つのいずれかであるかにあるとわかります。もちろん、両方の場合もあります。

→A)設問文を読み違えている場合

問われていることをしっかり理解してから再度問題を解きます。

→B)本文を読み違えている場合

設問と関わる部分(解答の根拠や手がかりになる部分)を傍線部からさがのぼって確認していきます。傍線部にある言葉の類似表現、理由がわかる部分などです。たとえば、物語文では、ある心情が問われている場合、その心情に至るまでの出来事が大きなヒントになります。これは私たちと同じです。感情が動くときは、何かが起きたときですよね。また、感情が動くときは、表情や行動に感情が表れます。ですから、物語では「出来事・行動・心情」をセットで考える必要があります。しかし、読解が苦手な子は心情と行動・出来事を分けて考えることがひじょうに多いのです。

例を挙げてみましょう。涙を流している場合で考えてみましょう。「私はお母さんにプレゼントを渡した→お母さんが涙を流した→お母さんが私を抱きしめてくれた」→このときの心情は「喜び・感動」ですが、「友だちにきついことをいわれた→友だちの言っていることは正しい→ぼくは唇をかみしめた」→このときの心情は「悔しさ」になります。こうした流れを押さえずに、言葉がもつ意味やイメージのみで答えようとして心情が読み取れなくなるのです。「気持ちなんてわからない」。物語文が苦手な子がよく言います。当然です。気持ちを直接見ることはできませんし、他人の気持ちを完全に理解することはできません。でも、気持ちは目に見える形で表れます。表情や行動です。いらいらしたら、机をけとばしたりするでしょう? そういったことから読み取るのが物語文の問題であり、これは私たちが人との関係において無意識に行っていることなのです。それが文章として文字化されるとへんに考えてしまったり、読み飛ばしたりしてわからなくなってしまうのです。人の表情や行動から気持ちを推測し、適切な言葉を発したり、行動を取る。コミュニケーション能力の高い人は誰でも行っていることです。物語文の読解は、コミュニケーションの基本を確認することにもなるのです。

また、論説文では、指示語の指している内容を流したり、接続語の文の前後の流れを読み飛ばしていることが多いものです。こうした点を確認していきます。特に指示語の内容は直前にあるとはかぎりません。まれではありますが直後にあることもあります。また、前にある場合でも、段落内容全体を指す場合と、特定の語句を指している場合とがあります。この区別がつかないと誤読してしまいます。

さて、ここまで確認できたら、解答を作っていきます。このとき、主語・述語の対応が正しいか、助詞(「て・に・を・は」など)を間違えていないか、同じ表現を繰り返していないか、設問に沿った文末表現になっているかを確認します。

そして、最後に間違えた理由と注意点を書いておきます。復テはノートに貼ってノートに書きこむか、もしくは復テにルーズリーフを貼りつけてファイルしてもいいです。復テ用のノートを復テをすぐに見比べられるようにしておけばいいので、管理しやすいような形にしてください。

ここまでやるとそうとう疲れますが、復習をして疲れないのは身についていない可能性があります。もう一度解き直して、解説をするだけでは意味がありません。記述問題が苦手なら、復テを徹底活用してみましょう。

テキストの宿題での答え合わせも同様の方法で行うようにしてみてください。

きちんと行えば、記述力・読解力は上がってきます。