様子から気持ちを読み取ることが苦手な子に読んでほしい本

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

模試を作っていると、当然毎回その結果を受け取ります。予想平均点と実際の平均点、小問ごとの予想正答率と実際の正答率。

以前は、副詞の正答率は高めに設定することが多かったのですが、最近は「これは簡単だけど」と思いつつも思っているよりも下の正答率を予想して出すことがあります。

これは、副詞に関する問題の正答率が低下していることを感じるようになったからです。副詞には、呼応の副詞(まるで~のような、もし~ならなど)、程度の副詞(もっと、ずっとなど)、状態の副詞(ゆっくりなど)がありますが、擬態語・擬音語の一部は状態の副詞に入ります。

この擬態語・擬音語、とりわけ擬態語を出題すると、思っていたよりも低い正答率になることがあるのです。そしてそれは、身近な場面で使われていると思われる言葉であることが多々あります。

ここ数年、擬態語・擬音語、特に擬態語が苦手な子がとても増えているように感じます。模試の結果だけでなく、実際の指導場面でも感じています。

擬音語は音を表しているからか、予想通り正答率は高くでます。でも、様子を表す擬態語は低くなるのです。生徒たちが通っているいろいろな塾の模試を見ていても基礎問題・A問題設定なのに正答率が低いと言うのを目にします。

擬態語の弱さは、様子の読み取りに影響し、その様子を元にした気持ちの読み取りにも影響します。様子から気持ちを読み取るのが苦手なら、以下の本を読んでみてはいかがでしょうか。

少年写真新聞社 佐藤有紀「『感じ』が伝わるふしぎな言葉 擬音語・擬態語ってなんだろう」
これは大人が読んでも興味深いと思います。
 
山海堂 山口仲美・佐藤有紀「『擬音語・擬態語』使い分け帳」
こちらは具体例が豊富です。子ども向けではありませんが、興味を持って読めると思います。
 
でも、日本語の擬態語・擬音語の力が存分に発揮されている本は、なんといってもマンガです。
擬態語・擬音語の文字と同時に絵もあるので、使用場面がはっきりと記憶に残るというメリットがあります。
 
勉強の息抜きに、マンガを利用してもいいかもしれません。(ただし、こちらは時間との付き合い方で別の問題が発生しますから、使用方法にはご注意ください。)