楽しい授業って何だろう?

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

「授業が楽しい」という言葉を聞いて、どう思われますか?

いい印象を持ちますか? 「何しているのだろうか?」と不安になりますか?

四半世紀もこの仕事をしていれば、生徒から授業が楽しいと言われることは何度も経験します。ただ、この言葉を聞くと、アラートが点滅。自分自身の授業に問題がなかったか振り返ってしまいます。

雑談を楽しいと言っているのか、授業そのものを楽しいと言っているのか。

若い頃、集団授業をしていた時代は、脱線話や余談を使って授業を盛り上げようとしていたことがありました。そんな時に言われる「授業は楽しい」は赤信号。今ではそんなことはまずしませんが。

問題を解く。わからないところは生徒に考えさせる質問をする。生徒は自分で答えを導けるまで、延々と私からの質問ぜめにあう。どうしてもわからないと言っても形を変えてとにかく私から質問される。そんな形式の、私の基本スタイルの授業を「楽しい」と言われるときはひとまずOK。その子が、文章を読むとはどういうことか、問題を解くとはどういうことかを理解してきた証拠。考えることが苦痛でなくなってきている証拠。「授業、楽しい」の後に、「勉強がんばれそう」とか「国語っておもしろい」とか、「できるようになるんや」という言葉が聞けるなら合格。

正直、教えている私自身は、自分の基本スタイルの授業を「楽しくはないやろ」と思ってます。というか、家庭教師・個別指導どころか少人数の授業ですら苦痛だった私には地獄です。そんなタイプの人間からしたら、1対1で、「わからない」と言っているのに、ひたすら手を変え品を変え、質問ぜめにあうなんて、楽しいわけがない。私のこの授業を受けている子はよく耐えているな~とひそかに感心していたくらいです…。いや、ほんとに、よく「やめる」って言わないよなと…。

でも、子どもって、どんな子でも「できるようになること」がなにより「楽しい」んですよね。「授業が楽しい」=「笑いの絶えない授業」ではないんですね。子どもってよくわかっています。自分でできるようになるから、その手段である授業を「楽しい」と感じるんですよね。当たり前のことなのです。子どもは誰でも、根っこに「知りたがりで学びたがり」の自分を持っているものなのですから。

エンターテイナーで、盛り上げ方・空気の作り方のすばらしい先生の授業を最近見て、私にはないものばかりでしばしへこんでいたせいか、そんな当たり前のことを忘れていたんですよね。他の先生方のいいところは取り入れられるものは取り入れて、でも、私は私らしく、生徒に「楽しい」と思ってもらえる授業をするしかないのです。

生徒にとって、本当の意味で楽しい授業ができるように、「わかる」「できる」という自信をもってもらえる授業ができるように、日々、自分の授業を振り返り、反省し、改善しつづけてかねばと改めて思う今日この頃です。