時間切れの問題

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

過去問演習をしていると出てくる時間切れの問題。

あせって速読に走ったりテクニックに走るのは危険です。

そもそも正確な読解力がないのに速く読んだところで正答率は落ちるだけです。100点のテストで時間切れで10点分の問題が解けなくても正答率が8割なら72点。時間切れにならず全問手をつけられても正答率が6割なら60点。解けている問題の正答率が低く時間切れが起きている場合、速く解くようにしたところで得点は伸びません。まずすべきことは精度を上げること。しっかりとした読解力を養成すること。時間切れの問題は入試に間に合えばいいのです。その視点を見失って速く速くとあせらせると、子どもは読み飛ばしをし、傍線部付近だけを読んで答えを出すということをはじめます。その時点で過去問演習の意味はなくなります。

これは何年生であっても同じです。まずは深い読解力の養成。処理速度を上げるのはそれからです。

実際、夏休み前の過去問演習では、試験時間の2倍の時間をかけて全問解いていた子が、今の時期には時間内に解ききり、合格者平均点をこえるようになっています。その間、徹底して記述問題を活用して深い読み取りの力を養成してきました。他の家庭教師の先生には、「先生の採点、厳しい」と言われることもありますが、それくらいしないとだめなんですよね。

しかし、この深い読解力の養成には時間がかかる。それを待てないと失敗します。

 

決して速く解くことを否定しているわけではありません。個別の特性を見て、小5のうちから時間内に解ききることを徹底している子もいます。大切なのは、それぞれの現在の力と入試で要求される力、その子の性格、キャパシティーなどをトータルで見て、入試に間に合わせるためにどの時期に何をするかを決めることです。そのときに他の子と比べると失敗します。そして、早め早めに対策をしなければとあせって、自分の子どものペースを無視したり「入試に間に合えばいい」という視点を見失ったりしても失敗します。

4年生・5年生は特に注意してください。不要なあせりは本当に危険です。