時間切れの原因

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

国語のテストで、「時間が足りない、時間切れになった」と言うお子様は多いです。

そうしたお子様も保護者も、よくおっしゃるのは、「読むのが遅いから」「読むスピードを上げないと」ということ。

しかし、時間切れの原因は読む速度にあるとは限りません。実際に読む速度を図ると1分間に600字程度読めていることがあります。正確に理解してこの速度で読んで、時間切れになることはありません。《正確に理解して読めている》ならば、です。

文章を読む速度が速くても、文章を精読せずに解いている場合、問題を解くのに時間がかかります。理解していないからです。30秒で答えるべき選択問題に2分・3分かかる。結果、間違える。3分で解くべき記述問題に10分以上かかる。それなのに、正確な答えが作れない。これでは意味がありません。読む速度に問題がないのに時間切れになる場合は、正確に理解して読んでいるか、問題を解く際に時間がかかりすぎていないか、確認してみましょう。小問あたりどのくらい時間をかけているでしょうか。たとえば、2400字程度の文章を5分未満で読み終えている。選択問題が5問、50字程度の記述問題が2問。この問題を解くのに、30分かかる。問題を解くときに、やたら本文に戻って確認する、解答の根拠を素早く限定できない。これは文章が理解できていないと言えます。この場合、文字を素早く追っているにすぎず、「文章を正確に理解して読んでいない」という大きな問題が潜んでいます。

また、「線を引きながら読むと時間がかかる」というお子様もいます。この場合は、目と手の動きが一致しているかどうかの確認が必要です。お子様によっては、一定量の文章を読んだあと、もとに戻って線を引いていることがあります。同じ箇所を二回読むことになるので、通常の1.5~2倍程度の時間がかかります。

お子さまが時間が足りないという場合、読む速度以外に原因はないか確認してみてください。くれぐれも、時間切れになる→「速読」をしよう!と、単純に考えないようにしてください。

文章を正確に理解して読んでいれば、解答精度は高くなります。どんなに速く読んで時間内に全問に手をつけることができたとしても、解答精度が低ければ意味がありません。100点配点で80点分しか解けなかった。でも、9割正解できれば72点です。全問に手をつけられても5割しか正解できないなら、速く読んでも点になりません。国語読解で最も重視すべきことは、文章を正確に理解して読み、問われていることを正しく理解して適せつに答え、解いた問題の正答率を上げることです。