文字と字の違いー書き抜き問題や記述問題と「。」との関係

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

「文字」と「字」の違いって、わかりますか?

「字」とある場合、句読点・カギカッコなどの記号・符号もすべて含めます。

「文字」とある場合、句読点・カギカッコなどの記号・符号は含めません。

「一文の最後の五字を答えなさい」と「一文の最後の五文字を答えなさい」。

文末の「。」を入れるのはどちらでしょう?

文の最後にあるのは「。(句点)」です。前者の場合は「。」も含めます。後者の場合は「。」を除いて答えます。

しかし、最近の入試では「文字」という指定はほとんど見なくなりました。また、「字」としている問題でも、「特に指定のない場合は、句読点も字数に含めます」という記載が表紙や大問の初めに書かれています。また、小問のところに「ただし、句読点はのぞきます」や、「句読点も一字に数えます」といった指定を入れているものもありますから、この指定の見落としを絶対にしないようにしましょう。

記述問題で「三十字で答えましょう。」とあったら、文末に「。」を入れないと減点になります。「こと」で終わる場合や「体言(名詞)」で終わる記述問題の場合、「こと」のあとに「。」を入れるのか入れないのか聞かれることがあります。「●字で答えましょう」とあったら、「。」を入れましょう。これで減点されることはありません。出版社によっては「●字で答えましょう」としていても、「こと」や「体言」で終わっている場合、「。」を模範解答で入れていないところもありますが、指定がないなら「。」まで入れて問題ありません。

ちなみに私が作成した入試問題・模試ではすべて「。」を入れています。これは私個人の考えでそうしているのではなく、学校・塾・出版社のルールにしたがっているからです。教材や模試作成では表記ルールというものがあり、どの言葉をひらがなにするか漢字にするか、どのレベルの漢字にどのようにふりがなをつけるか、問の文の形式はどうするかなどを決めています。東京・神奈川・千葉・茨城・石川・新潟・福井・愛知・京都・広島・長崎・福岡・岩手などの高校入試対策模試、複数の塾の模試、複数の私立中学高校の入試問題やプレテストなどを作成してきましたが、いずれも「。」を入れるように指示されます。つまり、基本的に記述問題の解答では「。」まで入れましょうというのが一般的だということです。

「から」「ので」などで終わる場合は「。」をつけていたのに、「という例」のように体言で終わる解答を作ると「。」が抜けるという子もいますので、注意してみてください。