教材作成ミスで人は死なない! と言われたけれど・・・

毒キノコを食用と記載して出版→回収。

というニュースがありましたね…。

10年ほど前、「教材でミスが出ても人は死にませんから!」と言われたことがありますが、うん、国語ではないかも。算数でも。でも、理科はありえますやん! と思い、どきどき。

国語であるとしたら、ふぐとか動植物系の説明文で毒に関する引用文に誤植を発生させるとかだろうか?

私は教材制作時には、原稿執筆者にも編集者にも校閲者にもなる。

こわいのは今回のミスで起きた時のような編集者の立場のとき。

編集者は複数の校正者・校閲者からの赤字が反映されたものをすべて確認し、どの赤を反映させるかを決める。(「イキシニ判断」といいます。)これをした後、もう一人に赤おさえという作業をしてもらう。イキシニ判断した後、修正が必要な個所に修正がなされているかをチェックしてもらう。模試、入試問題、教材。どれも校正は3~4回入る。ミスが多い場合は5~6回になることも。だが、どういうわけか、複数の校正者が同じ部分を見落としたり、さらに編集者も赤おさえ担当も同じ部分を見落としたりということが起きることがある。それでも校了前・印刷前にはたいがい発覚するのだが。(印刷前のミス発覚・修正し、ぎり間に合った!というとき、私たちは「神が降りた」といいます。教材制作だけか? 私のまわりだけか? いや、ほんとにそんな感じ。数百万の損害が防げることもあるんです。)

今回のニュース、ひとごとではない!

編集者が赤を見落とす場合、校正の文字が見にくかったりということもある。赤入れ時は気をつけなければいけない。「赤字は見やすく!」と怒られたこともある。

今月・来月と執筆・編集・校閲が同時進行。中学受験模試の執筆をしつつ、別案件の模試の編集をしつつ、大学入試関係の執筆と校閲をしている。ほんとに気を抜けない。。。ミスをいかに出さないように仕事をするか。。。それが大事。(そんな歌あったな)

という、出版裏話。

「校閲ガール! 河野悦子」で校閲者の存在が注目されましたが、編集者も大変なんです!