指導者の数と成績への影響

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

私は授業枠に空きがあるのであれば、ご依頼をお断りすることはありません。

ただし、例外はあります。

それは、指導者が3人以上になる場合です。その場合はお断りすることがあります。

集団塾に通っている生徒さんのフォローとして授業を受けている状態で、さらに2人以上の先生に教わる場合などです。集団塾+家庭教師+別の家庭教師。こうなると、連携を取るのはとても難しくなります。それぞれの先生によって指導方法が違うと生徒は混乱しますからそれは避けなければいけません。保護者の方からしたら、家庭教師の先生は週1しか無理だから、そのほかの日には個別で、もしくは空いている家庭教師に見てもらえば効果が上がると思われるかもしれませんが、そうとは言えません。

基本的に大手中学受験集団塾で教えられる読解方法を、国語が苦手な生徒さんはほとんど覚えていません。まっさらに近い状態です。ですから、塾のやり方に合わせて指導するかしないかはさほど問題になりません。基本的な読解方法は共通だからです。(算数の場合は図式化の方法が塾によって異なることがあるので、算数の先生はたいへんだな~と思います。)

個人で指導をしている家庭教師というのは私も含め指導の仕方はさまざまです。もちろん読解方法の基本は同じですが、家庭教師の場合は生徒の弱点に合わせて指導内容を変えなければなりません。現在の学力・生徒の性格・思考のクセ・習慣などを総合的に見て、読解の際に何を優先して指導するのかを考え、一人一人に合わせて変えています。家庭教師が2人以上になると、ここで問題が発生することがあります。指導時に何を優先するかについて、その順位付けが先生によって異なることがあるのです。

たとえば、時間切れを起こす生徒の場合、ある先生は速読をすすめます。ある先生は難易度の難しい文章を読ませて模試の文章への意識的抵抗を減らす方法を取ります。また、別の先生は今は時間切れを起こすことは気にせず、まずは解答した問題の中で正解できなければいけない問題の解答精度を上げることを優先します。

速読をすすめる先生と解答精度を上げることを優先する先生から同時に指導された生徒はまちがいなく混乱しますから、このような場合は一人に絞るほうがいいのです。

家庭教師がすべきこと(塾の先生であっても同じですが)は生徒にとって何がベストかを常に考えることです。目標は志望校への合格です。そこにいたるまでに何が生徒にとってベストなのかを考えなければいけません。私のような一個人の家庭教師にお問い合わせいただき、ご依頼いただけることは本当にありがたいことなのですが、すでに別の先生がいてそれなりに成果もあるのであれば、そこに私が入る必要はないと考えています。成果が出ていなくても指導開始から半年未満であるなら受験までの指導方針や長期的な指導の方向性を確認し、様子を見ていただくほうがいいと思います。

国語が苦手な生徒の成績が上がるために必要な期間は、生徒が指導されたことを、塾の宿題・家庭学習で実行し、課題をしっかりこなしたとしても最短で3~6か月はかかります。これに満たない期間で新たな先生を追加したりするのは、生徒にとってはあまりいいことではありません。プロの家庭教師は受験に向けて成績が上がるように逆算してカリキュラムを組み、適宜修正しながら授業を進めています。成果が出ないと思っても、点数には出ていない力がついていることは多々あります。

最短で3~6か月と言いましたが、これは5年生までです。6年生の場合はこれまでよりがんばるようになっても、周囲はもっとがんばっていますから偏差値は上がりにくくなります。6年生から国語の力を上げるためには、時間ではなく量と質の面で人の数倍の努力が必要であると考えてください。小6からの指導で、それも夏前あたりからの不定期指導で成績が上がり第一志望に受かった生徒たちは時間よりも学習の量と質が向上していることが多いのです。質の向上により短い時間で学習量を増やすことにも成功しています。しかし、質の向上は学習時間を増やすことよりも難しい。かなりの努力が求められます。これまで身についた学習方法を根底から変える必要があるからです。

ちなみに、まれに3か月未満で成果が出る生徒もいます。6年生であれば夏以降の不定期指導で偏差値で10近く足りていない学校に受かるような生徒です。そういった生徒は、算数が得意で論理的に考える力の土台ができている生徒です。論理的思考力は算数でも鍛えることができます。ただし、数字と文章という違いがありますから、論理的思考力があるからといってどりらもすぐにできるようになるわけではありません。論理的思考力があるのに国語ができないのは、文字情報の組み立てや言語化がへただからです。文章として目から取り込んだ情報を算数のように図式化して組み立てられたり、条件の抽出がしっかりできたりするようになったり、表現力がつけば短期間での成績向上はありえます。この点については、別記事でお話ししたいと思います。

話がそれましたが、今、家庭教師の指導を受けていて変更を考え、先生を他に探されているなら、一度その先生とよく話し合って指導の方向性や成績に表れていない力がどの程度あるのかについて確認してみることをおすすめします。