大学附属校を選ぶ際の注意点

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

大学附属校が人気と言われています。

大学附属校校を選ぶ場合、子どもの可能性を閉ざす場合があることは頭の片隅に置いておくほうがいいと思います。

中学受験時の学力はそれほどあてになりません。最難関に合格したのに中堅以下の私大に進学、中堅私立中学から最難関大学に現役合格ということはよくあることです。そんなにめずらしいことではありません。

小学生で算数が苦手・国語が得意だから文系と考えるのも適切とは言えません。

文系と理系の違いは教科の違いというよりも思考の違いです。概念重視の文系。論理重視の文系。

基本的に論理的思考力があれば国語も数学もできるはずなのです。ただし、国語の場合はすべてが論理で解けるわけではない。ベースに論理はあるけれど、物語の読解では「共感力」も重要になってくる。この部分が弱いと文学的文章が苦手になり、国語が苦手→理系と考えてしまう方がいるのですが、それは間違いです。なお、算数が得意だった子が中学進学後数学が苦手なるということもあります。

文系・理系なんて単純に分けられるものではないのです。ましてや国語が得意だから文系、算数が得意だから理系なんて言えるものではありません。中学・高校で大きく変わることは十分ありえます。

大学附属校に進学した場合、小6段階の能力で、ある程度文系・理系どちらの学部に進むかが見えてきてしまいます。附属校は基本的の総合大学の付属です。総合大学では学部により偏差値の差がかなりあります。文系だと思っていたけれど、理系に行きたくなった。系列の大学に理系の学部はあるけれど、もっと上の学に行きたいと思うようになる。その場合、厳しい道を進むことになるかもしれません。

学校によって系列校を確保したうえで外部受験ができる学校、外部受験をするなら内部進学はできなくなる学校、基本的に系列校に全員進学する学校などばらばらです。特に系列校進学が前提の場合、ゆるい雰囲気の中で外部受験を目指して勉強するのは大変です。高い自己管理能力が求められます。また、学力では系列大学より上にいける学力がついているのに、系列校に進学する子が多いからそのままでいいと考え、自ら可能性を閉ざしてしまうことも起こり得ます。もちろん、偏差値の高い大学=いい大学とは一概には言えません。

問題はそこではなく、「これくらいでいいや」と自ら限界を定めてしまう、妥協してしまう姿勢がつきかねないということなのです。

この大学のこの学部で勉強したいから附属校に行きたいという子もいます。やりたい勉強ができる・校風が気に入った、だらか附属校に行きたいという子もいるでしょう。そういう子にはぜひとも志望する附属校を目指して頑張ってもらいたい。でも、大学合格を確保できるからという前提で選ぶ場合は、お子様の性格やその大学の特徴を見て慎重に検討されるほうがいいのではないかと思います。

ちなみに、附属校だからといって希望の学部に進めるとは限りません。上位の成績の子から志望学部を選べるのであり、成績が悪ければ厳しくなります。もちろん、あまりにも成績が悪ければ中学段階で高校受験を勧められる=退学勧告もあります。実際、元生徒でそういう子がいました。中2の終わりから中3にかけて平日1日3時間、日曜日に6時間授業をすることになり、ある意味、中学受験よりも精神的にきついものがありました。生徒にとっても、教える私にとっても…。

附属校に行けば大学まで安心というわけではない。附属校には附属校の厳しさがある。また、場合によっては将来の可能性をつぶすこともありうるということも考えておいたほうがいいのです。