国語読解の基本は、具体と抽象・対比・因果関係

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

 

国語が得意な人には当たり前の、具体と抽象・対比・因果関係。

この3つの関係を押さえれば説明的文章の読解は問題なくできるようになります。ただ、具体と抽象、対比については語彙力が大きく影響しますので、語彙力の強化は必須です。この3つは小学校低学年、もっといえば入学前からでも身につけることはできます。それも日常的に。

3年ほど前、読解力・思考力・表現力をつける読書のしかた 「読書好き」=「国語ができる」わけではないのですの記事でも書いたのですが、小学校1・2年のときの担任の先生が行ってくれた読書感想を担任の先生に話すという自主課題。読書をしたらその本と本について書いたシートを持って先生のところへ行き、先生の質問に答えられたらシールをもらえるのです。ただ、シールをもらうためには本の内容についての先生の質問に正しく答えられなければなりません。その先生の質問がなかなかハードなのです。

「この場面、ようするにどういう場面だった?」(具体と抽象)、「先生はそうではなくてこう思わうけれどどうかな?」(対比)、「どうしてそう思うの?」(因果関係)。そして当然、文のねじれや助詞の間違い、わかりにく説明は言い直し。3つの論理関係と日本語の正しい文法を身につけるにはとてもいい方法だったと思っています。

 

この先生の方法は国語指導を開始していらいずっと行っています。特に低学年では、まず因果関係と対比を重視します。答えを導いたら「どうしてそう思った?」と聞きます。すると、答えるときには理由が必要なんだということを理解するようになり、特にこちらが聞かなくても「こう思ったからこの答えにした」「こういうふうに考えた」と説明してくれます。その説明がわかりにくいときは、質問形式で修正し、こちらが正しく修正することは極力避けます。すると、3~6カ月程度で伝える力、考える力が伸びてきます。問題を解く以上に、そのプロセスを考えること、そのプロセスを相手が納得するように説明することで力は伸びていきます。

これはご家庭でも実行できます。「簡単に言うとどういうこと?」「お母さんはこう思うけれどどうかな? 違うと思う? どうして?」

そんな会話を通して、早い段階で3つの論理関係に触れていくと、問題集やドリルで解いたときの納得感・理解度が大きく変わってきます。実際に体験してきていることを学ぶのと、体験してきていないことを学ぶのとでは理解度が違いますから。