受験生と睡眠時間

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

中学受験生で睡眠時間が十分に取れていない子はとても多いものです。

中には深夜1時、2時に寝る子も。それがいいのか悪いのか、一概に言うのは難しいとも思います。第一志望校合格に向けてそのレベルになるまで一定量の学習量が必要。でも時間が足りない。そうなると睡眠時間を削らざるを得ない。結果、合格できたのならそれはいい選択と言えるのかもしれません。

ただ、この仕事を長くしていると、睡眠時間を削り、遊びの時間も極限まで減らして受験勉強に打ち込んで合格した子の将来が幸せかというと、必ずしもそうではないと思わざるをえないケースをいくつも見るようになります。第一志望校に合格したもののついていけずに退学し、公立中学に転校した生徒。中学受験時に抑え込んだ感情が大人になってから爆発し20代後半で引きこもりになったり、親と絶縁に近い状態になった生徒。心を病んでしまった生徒。睡眠時間を削って最難関に合格したお兄ちゃん、のんびり自分のペースで学習し、中堅校に合格した妹。合格した大学は妹が最難関。お兄ちゃんは中堅大学、というのも見てきまいした。なにが正解なのだろうと、何年やっても答えは見つかりません。でも、睡眠時間を削って勉強している子の多くが伸び悩むということは言えます。効率の悪い学習習慣におちいっているのに、長い時間勉強しているから成績が上がるはずと思い込んでいて気づかない。認めない。睡眠時間6時間程度の子はほんとに伸び悩むことが多い。

 
中学合格後も継続して指導しているご家庭が数件ありますが、睡眠時間がいちばん大事! という姿勢を中学受験時から貫いていらっしゃいます。
第二志望校に合格しましたが、通学時間もかかり、課題も圧倒的に多くハードな学校に通いながらも全ての課題を終わらせ、ゲームの時間を確保しつつ、22時半には寝て睡眠時間は確保。成績は学年上位です。この子を見ていると、時間が限られているからこそ、限られた時間で集中して勉強するようになっている、効率のいい学習習慣が身ついているのではないかと思うのです。勉強に充てられる時間は〇時間。この時間でこれだけの課題を終わらそう、課題を効率よく終わらせるために授業を集中して受けよう。そういう姿勢が自然と身についているかんじがします。
 
睡眠時間を削ると不思議なくらい伸び悩むのは、時間内で身につけようという意識がなくなるからかもしれません。終わらないなら終わるまで寝なければいいという意識が生まれた時点で、時間には限りがあるという意識が薄れ、悪循環が始まります。
 
睡眠時間が短くなっている場合、学習姿勢を本気で見直さないと直前期に予想外の伸び悩みを経験することになる可能性があるということは、気にかけていただきたいと思います。性格的に集中力がないと思っている場合でも、睡眠不足が原因ということはよくあります。もちろん、ぎりぎり合格に必要なところまで伸びる子もいますし、体力のある子は問題ないこともありますが、睡眠負債におちいっていないか、注意していただくといいと思います。
 
大人でも睡眠時間が短くなると仕事でミスをしたりするのです。子どもだって同じなのですから。