受験は誰のものなのか

勉強しているのに成績が伸びない場合、勉強の仕方以外に問題が潜んでいることがあります。
 
それは受験を自分事として捉えることができていないということです。
他人事なんですね。
 
「お母さんが受験しろっていうから受験する」
「点が取れたらお母さんに怒られなくてすむ」
という気持ちで勉強をしている子と
「この中学校に行きたいから受験する」
「この点数を取りたいからがんばる」
という気持ちで勉強をしている子では
成績の伸び具合が大きく変わってきます。
 
 
 
生活管理、勉強のある程度のペース配分など、保護者の方にしていただくことは必要ですが、
あくまでも主体は生徒自身です。
親が決めた目標点ではなく、生徒本人に目標点を決めさせる。
その点数は保護者の方が期待するより低いかもしれません。
でも何も言ってはいけない。
まずは、自分で決めた目標を自分の力で達成するという経験をさせてみる。
 
 
子どもは、自分で決めた目標を達成できると、じゃあ、次はもっと上を目指そうとします。
それを何度も繰り返す。
保護者の方が望むペースより伸びは遅いかもしれません。
でも、そういう子は必ず受験までに必要な力をちゃんと身につけてくれるのです。
 
ある生徒は週末にあるテストの目標点を塾の先生に決められていました。
テストで毎回90点以上を取ることと。
でも、なかなか点が取れません。平均して50点程度です。本人もまずいということはわかっています。
そこで、本人に何点を取りたいのかを聞いてみました。
すると、今は算数をがんばっていてどうしても国語の宿題ができない。漢字や語句の問題を復習する時間がない。
だから、90点は取れない。いつも50点くらいしかとれないけれど、70点は取ってみたい。
 
そこで、まずは70点が取れる学習サイクルを組み立てました。
結果74点。すると、次は80点を取ると言い出しました。いつも達成できたわけではありません。
それでも何も言わず、2か月ほどたち、7回目のテストで96点を取れるまでになりました。
そして、本人の口から次は100点を取るという言葉が出てきました。
 
同時に伸び悩んでいた模試の偏差値も2か月で18ほど上がりました。
この2か月、私が神業のような指導をしたわけではありません。
論理的に文章を読む方法を続け、漢字や語句問題の宿題をするときに熟語は必ず訓読みをして
漢字の意味と組み立て、読み方を確認することに力を入れただけです。
この段階で論理的に読み、答える力はまだ十分ではありませんでした。
 
そういう方向に保護者と生徒を誘導するのも私たち家庭教師の仕事。