具体的と具体例の違い

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

記述問題で生徒さんがとまどう指定語句に、「具体的」と「具体例」があります。

この区別があいまいだと、書き抜き問題でも答えが見つけられなくなることがあります。

この違いを「うさぎ」を使って説明すると以下のようになります。(うさぎが好きなんです。)

a)うさぎ

b)うさぎとは、長い耳、植物を食すのに適した歯と縦に割れた上唇を持ち、後ろ足が前足より長い小型の哺乳類である。

c)ネザーランドドワーフ・ホーランドロップ

bは、うさぎというものをくわしく、わかりやすく説明しているので、具体的。

cは、うさぎというもののくわしい説明にあてはまるもののについて、「たとえばこういうものがいますよ」とその一部を例として取り上げているので、具体例。

なお、長い耳、植物を食すのに適した歯と縦に割れた上唇を持ち、後ろ足が前足より長い小型の哺乳類について、要するに何かとまとめているので、a)は抽象的。

 

これを国語の問題に当てはめてみると、以下のようになります。

問1)うさぎについて、具体的に説明しなさい。(うさぎについて、わかりやすく説明しなさい。)

答え:長い耳、植物を食すのに適した歯と縦に割れた上唇を持ち、後ろ足が前足より長い小型の哺乳類。

→具体化

※「具体的」は、「くわしく」「わかりやすく」となることもあります。「具体的」に説明するとあったら、「くわしく」「わかりやすく」説明すると考えましょう。

 

問2)うさぎの具体例を挙げなさい。

答え:ネザーランドドワーフ

→具体例の提示(「たとえば」で言い換える)

 

問3)「長い耳、植物を食すのに適した歯と縦に割れた上唇を持ち、後ろ足が前足より長い小型の哺乳類」とありますが、何のことですか。

答え:うさぎ

→抽象化(「つまり」で言い換える)

 

a→bは具体化、b→aは抽象化、cはa・bの具体例ということになります。

 

ちなみに、ネザーランドドワーフは、ピーターラビットのモデルになっているうさぎ。ホーランドロップはたれ耳のうさぎ。うさぎでも、アマミノクロウサギは耳が短いです。