低学年までの国語指導は右脳と左脳をバランスよく使う方法で

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

日本ベビーコーチング協会の国語表現力UPトレーナー認定講師となりましたが、その後、量感算数・空間認知トレーナー認定講師にもなりました。さらに幼児教室の認定講師にもなりました。算数を教えること・幼児教室を開くことが目的ではありません。国語指導をする中で、幼児から高校生まで、つながりのある指導をしたい・幼児から高校までの国語教育というものを俯瞰して見て、体系的に理解したい、指導に活かしたいと思ったからです。また、量感の弱い生徒さん・空間認識力の弱い生徒さんは、文章を読んだときに位置関係や場面理解力が弱いと感じることが多かったため、文章読解時に活用したいと思ったからです。

量感とは、測定器などを使わずに量の大きさの見当をつけたり、特定の単位で示された量が実際に物にするとどれくらいの大きさになるかの見当をつけたりするための感覚です。空間認識力は空間上で物の位置や形、方向、大きさなどの状態・位置関係を正しく認識する能力です。量感のない生徒さんは、登場人物が何かを持ったときの感覚・心情理解が弱かったり、空間認識力の弱い生徒さんは、登場人物がどのような場所に、どのような姿勢でいるのかを読み取る力が弱かったりします。量感はともかく、空間認識力が弱くても読解に国語の入試に影響がないのでは?と思われるかもしれません。しかし、空間認識力が弱いと登場人物同士の物理的な距離感を読み取れないことが多々あります。物理的な距離感は心理的な距離感を表すことは多いので、これは読解に影響します。実際、2006年の大阪星光の国語では、主人公がおばあちゃんからもらった人形に食事をあげる場面において(梨木香歩く『りかさん』)、テーブル・人形・食器の位置関係が図で示されて、適切なものを選ぶという問題が出題されています。かなり昔の問題ではありますが、こうした問題は最近でも、入試で実際に見かけます。過去には位置関係を図にさせる問題もありました。

また、日本語は擬態語の多い言葉ですが、量感や空間認識力の弱い子は擬態語も苦手なことが多い。「ぎっしり」「ずっしり」「ちょろちょろ」といった言葉ですね。「箱にぎっしり詰まっている」「ずっしりとした石」「水がちょろちょろ流れる」。こうした言葉について、「なんでそんな言葉をそこに入れる?」「それ、今使う?」というような当てはめ方・使い方をします。こうした力の弱さは表現力・想像力・発想力にも影響します。作文を書かせると顕著に表れます。

大人にとっては当たり前のことが、そうではないということはとても多いのです。大人の当たり前は子どもにとっての当たり前ではありません。でもそこには原因があります。その原因を解決しなければいけません。その原因の中に量感・空間認識力の弱さがあるのです。

実際に読解の理解にどう影響するのか、例を挙げてみます。

「心にずっしりとしたものが残った」

この文を読んだら「重苦しい気持ちになったんだ」と思うのは当たり前だと思われるかもしれません。しかし、実際に指導していると「どういうこと?」と言う生徒さんがいます。「ずっしり」が重いものという感覚が薄いのです。「何か重いなと感じるもの、思いつく?」と聞くと、「おでんがたくさん入ったなべ」と言う子もいれば、単に「なべ」と言う子もいます。「ずっしり」という言葉が実際にどのくらいの重さなのかを想定し、自分の持っている知識を活用し、自分が知る範囲の人、誰にとっても重いと感じるものを例に挙げられる生徒もいれば、カラなのか中身が入っているのか、どのくらいの鍋なのかを想定して伝えられない生徒もいます。これは生活体験や表現力とも関係していますが、何が言いたいのかというと、低学年指導では、単に文章の読み方だけを教えても将来役立つ読解力は身につきにくいということです。論理を教えるとともに感覚として教えること、左脳と右脳の両方を使うような指導をすることが必要だと感じています。「心情理解がまったくできないんです」「論理的に考えることができないんです」というご相談は非常に多いのですが、バランスが悪いとこのようになります。心情理解についても論理で理解できる!という部分もありますが、言葉の裏側にある真意を感じ取る力、表現技法を用いて作者が伝えようとしていることを理解する力、物事を大局的に見る力は論理だけではどうにもならない部分があります。かといって、感覚的な部分ばかりになってしまうと、論理的に考えて伝える、客観的に判断する力が弱くなります。

国語指導の中で、私は文章の論理を理解できるように、論理的に思考できるように教えていますが、感覚としても理解してもらいたい、様々なものを関連付けてひらめきを得たり、想像したり、思考したりする力をつけてもらいたいと思っています。「目を見開く」という慣用句の意味がわからなければ一緒に同じ動作をしてもらう・目に関する他の慣用句も動作をしてもらって覚えてもらうということをすることもあります。

そうした指導を深く、しっかりと行いたいと思い、今回、量感算数・空間認知トレーナー、幼児教室の認定講師になりました。

今年度は、幼児(小学校受験終了後)~低学年の指導の枠として、月曜日の15時半~18時までを設定しています。すでに継続受講の低学年の生徒さんは複数いまして、夕方以降の授業はすべて埋まっております。月曜日以外でも時間・地域によっては可能な場合がございますので、お問い合わせください。家庭教師という形での指導となります。