プレテストを受けましょう

関西のあちこちの私立中学では先月半ばすぎからプレテストが実施されています。今月も昨日、そして毎週末と23日と様々な学校で実施されます。

志望校のプレテストは極力受けましょう! 受けてください!

プレテストを作るとき、学校によってはプレテストと入試問題を同時に作成します。3本とか5本とか。この場合、作成時にはすべて同じレベルで同じ傾向で作成するように言われます。そして、できたテストを見て、入試で使うものとプレテストでつかうものを決めます。つまり、プレテスト=実入試と言っても過言ではありません。(もちろん、すべての学校ではありませんが。)このような話は一部の学校のプレテストの解説会などでもされています。実際私もそのように作成依頼があり、作成したことがあります。

国語の場合、出題傾向が変わるというと、論説1題と物語1題だったのに物語ではなく随筆が出たとか、詩が出たとか、小問数が減ったとか、大きな変化に目がいきがちですが、それだけではありません。たとえば、小問で解答を導き出す過程が大きく異なる問題が出ることがあります。記述問題であるなら、傍線部の前後に解答の根拠がある問題ばかりだったのが、傍線部までの全体内容を理解していないと解けない問題が出る。こういった傾向の変化にも目をむけないといけません。一見難しくなっただけではと思われるかもしれませんが、その学校の受験生であれば解ける問題であることも多いのです。この学校の記述は傍線部の前後に注意すればよいとという過去問対策が足かせになり、冷静に考えたら解ける問題も解けなくなってしまうことが、実際の入試では起こり得るのです。

ですから、プレテストは受けましょう! 今年の入試も過去問の傾向と同じ傾向の問題が絶対出る! とは限りません。受験する年の入試傾向が変わっているかどうかを、プレテストで見ることができるのです。

過去問演習について、国語では出題傾向よりも出題意図を意識するほうが有効です。出題傾向は変わっても本質にある出題意図はそうそう変わりません。入試でどのような力を見たいと思っているのかを意識すれば、身につけるべき力もおのずと見えてくるからです。

心情の変化を読み取る力を見たい場合、特定の出来事や部分に着目して答える問題もそれまでの流れを踏まえたうえで答える問題も作ることができます。入試傾向から特定の出来事や部分に着目して解けばいいという思い込みを持ってしまうと、そうではない形式の問題が出たときに難しいと感じます。しかし、根本にある「心情の変化を読み取る力を見たい」という意図を意識して学習しておけば、傾向が変わろうが動揺することなく様々なパターンに対応できるようになります。

出題意図については、学校は解説会で説明されます。プレテスト解説会があるなら、必ず出席し、出題意図を確認されることをおすすめします。