フリーの教材制作者となって10年目に入りました。

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

教材制作者として独立し、今年で10年目に突入しました。

先日、PCが壊れまして。買い換えた際に、HDDに保存していたこれまでのデータを整理しました。

といってもこれまでに作成したものが思っていたよりも多く、消去してもOKというものは意外になく、というよりも消せず、フォルダ整理で終わったのですが。

作成した模試、450本以上。手がけた教材は40冊以上。教師用の指導書も作成しました。

とはいえ、私がメインで作成しているのは塾・学校専用教材が中心なので、名前が出ることはほとんどありません。校正者・編集者・編集協力として市販で出ているものはありますけどね。

そんな過去の大量のデータを見て込み上げてきたのは、自分の作ったものの質はほんとうにいいものだったのだろうかという不安、真摯に仕事と向き合ってきただろうかという不安、経験に見合った質のいいものを作り続けなければいけないという思い、編集者・校正者・校閲者の方々への感謝でした。

ここまで致命的なミスなくやってこれたのは、そして、特に営業をかけなくてもずっと継続して仕事をいただくことができているのは、多数の校正者・校閲者・編集者の方々の力があったから。私自身も校正・校閲をしてミスを指摘しています。それが仕事ですから。印刷直前にミスを発見するなんてこともあります。私の作ったものも、そうやってミスを修正していただいてこの世に出ている。著者校正をすると、「なんでこんなこと書いた?」とか「え、おかしいよな」と思うものを作っていることがあるんですよね。。。作成時は視野が狭くなっていて気付かなかったりってことがあるのです。そうした点も校正者・校閲者の方々に指摘していただける。ほんとうにありがたい。自分ひとりでできることなんてたかが知れているのです

教材制作でも致命的なミスをすれば賠償が発生することがあります。印刷後にミスが出て刷り直しが発生すれば数百万の損害を出してしまうこともある。自分で企画し、自分の本を出している分にはそんなことはないでしょう。でも、出版社や塾との契約で作成している場合はそういったリスクがあるのです。そういった怖さを抱えながら常に仕事をしています。そんな中、なんとか大きなミスなくやってこれているのは校正者・校閲者・編集者の方々がいるからなんです。

私自身はそんな優秀な人間ではない。ただただ努力を重ねてきただけ。優秀な人たちに近づけるように努力をしてきただけ。私より力のある執筆者・校正者・校閲者・編集者はたくさんいる。その中に入って生き残れるように努力を続けなければいけない。支えてくれている方々への感謝を忘れてはいけないと改めて思いました。

フリーランスの88%は開業10年で廃業しているというデータがあります。そんな中、課税事業者にもなり、10年目に突入できました。感謝しかありません。

フリーの教材制作歴はたった10年。まだまだです。この年齢で10年しかたっていないですし、ひたすら精進あるのみ。指導歴は25年ほどになりますが、それでもこの教育という仕事では、年数なんてさして意味がないように感じてもいます。子どもの数だけ指導方法は違うのですから。過去の経験を引きずり出して類似例を探しつつ使えるものは使いますが、今、目の前のいる生徒にとって最善なことは何かを手探りで探すことのほうが圧倒的に多い。「たいしたことないな~、自分は」と思いながらの日々です。私は自己肯定感の高い人間ではありません。常に怖さを感じながら仕事をしています。自信に満ち溢れた人へのうらやましさを感じたこともありましたが、教材制作ではこの怖さを感じながらしているおかげで救われている面も大きいので、最近は「自己肯定感なんて別にいらないか」と思い始めています。何よりも怖いのは過信。そして他者の意見を受け入れられなくなる傲慢さ。気をつけないとそのわなにはまってしまうので。その程度の器しかまだないんですよね。

最善を尽くして、誠実に、地道に、ていねいに、教材制作も指導も行っていかねばならないと、気持ちを新たにがんばっていきます。

「下心は真心には絶対に勝てない」という言葉を信じて、クライアント様、生徒・保護者の方々と向き合っていかねばと思っています。