テキストとテストの形式の違い

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

昨日の記事帰国子女・インターナショナルスクール生で国語の文章を読むのが遅いなら……で、一行当たりの字数が多いと読みにくくなる生徒が喜古菊子女やインターナショナルスクール生の中にいるということに触れました。これは、現場の先生方にご理解いただいて、変化したらいいのに、とひそかに思っています。

私は家庭教師ですが、問題集などの原稿作成もしますし、編集者として他の人が書いた本を編集し本にする仕事もします。また、校閲者として教材の校閲や教育関係の記事、対談などの校閲もします。その立場からの意見です。

塾の国語の教材は2段組みで、1行当たり30~36字程度になっていると思います。これは組版上(レイアウト上)の配慮です。見やすさを重視してこの字数にしているんですね。低学年だと1行あたり30字未満でしょう。横組みの教科の教材作成者の方は先輩から「1行当たり35字以下に!」と指導されたそうです。大人でも40字程度が見やすい限界かなと思っています。ワードを起動してみてください。横組み1行の字数って40字がデフォルトになってませんか? ちなみに私は全国の高校入試(通常の高校入試や独自入試などありますが)の対策模試を作成しますが、よく作る都道府県模試は2段組みで1行32字です。ところが、中学受験では1段組みで1行あたり60字を超える形式のものが多い。模試でもその形式の塾が多い(高校受験・大学受験でも多いですが)。塾は実際の入試を意識してそうしているのでしょう。だから、入試問題のレイアウトがもう少し変わってくれたらな、と思うのです。ただの教材制作者兼家庭教師がどうこう言える立場にないのはわかっていますがね。帰国子女・インターナショナルスクール生の中学受験も増えています。彼らが育ってきた環境が不利になることがないように変わってくれたらな~と思うのです。

余談ですが、学習教材の作成者(主に編集者)は見やすさ、読みやすさにものすごく気をくばります。問題の内容はもちろんですが、字の大きさ、読みやすい字数、ルビのつけ方、問題の配置、図の配置、イラストの配置、箇条書きの採用など問題内容以外にも様々な視点から考え、検討し、作成していきます。効果的に学習できるように、理解の妨げになるものを排除するように考えて作成していきます。ユニバーサルデザインを配慮した作成もします。そうした配慮が教材にはちりばめられているのです。