オーディオブックの活用

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

国語が苦手な場合、文章を読むのが嫌い、文字数に圧倒されて読むのがいやになってしまうことは多々あります。

読書は嫌がる、でも、本は読んでほしい。読書感想文を書かないといけないけれど、なかなか読もうとしない。そんな読書嫌いな子はオーディオブックを活用してみましょう。

片付けをしながら、塾への行き帰りに、夜寝る前の時間に、興味のある話を聞き流してみてください。

数年ほど前から聞く力の低下が問題視されるようになっています。これは日本だけの問題ではありません。5年ほど前、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授がアメリカの政治議論における人の話を聞く力の低下について警鐘を鳴らしていました。

SNSや動画の普及により聴覚情報が理解できなくても視覚で十分補えるようになっています。動画では字幕がついているものもありますよね。人は、聴覚・視覚・体感覚のどれかが優れています。成長と共に一般的には視覚が優位になるそうです。そのような傾向がある中で、聴覚情報を補えてしまうものが増えたら聞く力の低下に拍車がかかるのは当然のような気がします。

全国学力・学習調査の結果を見ると聞く力に関する問題の正答率は高いので、低下していないような気がするかもしれませんが、わずか数分の聞き取り検査と30分の話を聞き取って理解するのとでは話が違ってくると思います。聞き取り検査でも視覚情報があるものもありますしね。

学校や塾の授業で先生の言っていることが理解できないという生徒さんは多い。塾の先生がどう説明したかを聞いても「忘れた」ならまだましで、「何言っているかわからなかった」という生徒さんも増えています。中高一貫校生では、先生の話で重要な点をノートにメモするように言っても、できない生徒さんも多いです。

そんなお子さまこそ、オーディオブックを活用してほしいと思います。オーディオブックは再生速度を変えることができますから、慣れてきたら速度を早めることもできますし、繰り返し聞いて理解を深めることもできます。聞く力を高めたいときは視覚情報をなしにして聞いてみましょう。

また、塾のテキストの長い文章を読み切れない場合、塾の宿題をするのも大変ですよね。その場合は、塾のテキストを保護者の方が音読してみましょう。その際、目で文字を追いつつ、鉛筆を持って手を動かし、必要なところに印をつけながら聞きましょう。この場合は、聞く力の向上が目的ではなく、文章を正確に理解し、最後まで読み切れるようにすることが目的ですから、目と耳と手の動きを一致させて、意識を文章からそらさないようにします。私自身、授業でこのような方法をとることがあります。

中高校生であれば、出口先生の現代文の問題集、英単語集や世界史の問題集などもオーディオブックになっているものがありますので、こうしたものを活用してみてもいいと思います。

また、幼児の場合、お母さまが忙しくて読み聞かせができない、集中して聞いてくれない! そんな場合は、お子様が遊んでいるときのBGMとしてオーディオブックを流すのもおすすめです。聴覚が優位な時期に様々な言葉を聞き流すと脳への刺激にもなりますし、自然に言葉を覚えることにもなります。

 

これを書いていて、子どものころ、アニメや小説のCDを聞いていたことを思い出しました。

高3になると、理系クラスだったので数学・物理・化学の勉強に追われ、英語や政治経済、国語の勉強時間があまり取れなかったため、教科書を音読してカセットテープに録音し、それを通学時にBGMがわりに流して聞いていたこともありました。そうやって勉強していた英語・政治経済・古文・漢文・現代文、勉強時間はかなり少なかったものの9割以上取っていた記憶があります。

そして今、私自身もオーディオブックを聞いています。オンライン授業が続いた日の夜や一日中執筆した日などはそれ以外で目を酷使したくないのでそんなときに聞いたり、健康のために買ったエアロバイクに乗っているときなどに。

目を休めつつ、記憶に残るので役立っています。