どうして1回習ったところを覚えていないの?
どうして1回習ったところを覚えていないの?
どうしてこの前習ったことを忘れているの?
この言葉、よく聞きませんか?
つい、言ってしまいませんか?
算・国・理・社。中・高校生なら英語も。
分野のまったく違うものを毎日学校で新たに学習する。
1回習ったところ、1回しか聞いていないこと。
それをすべて覚える。そして、その知識を活用して新たな問題を解く。
中学受験生なら、塾で学校では習っていないことも新たに学習する。
会社で働かれているお父さま、お母さま、
会社の研修を受けて、その内容を1回ですべて覚えられますか?
会社で部下の中に、1回教えたことを完璧に行って、
仕事をこなせる人はどのくらいいらっしゃいますか?
料理が苦手なお父さま。
初めて作る手間のかかる料理のレシピ、1回で完璧に覚えられますか?
見たレシピのまま再現できますか?
中にはできる方もいらっしゃると思いますが、
無理な方のほうが多いのではないでしょうか。
このようなことを小学生、中学生、高校生のお子さんは週5~6日、
1時間めから5時間め、6時間めまで、学校によっては7時間めまで毎日行ってます。
塾のあるお子さんはそのあとさらに授業。
それも興味の有無や、得意不得意関係なく。
忘れて当然、覚えきれなくて当然です。
だから繰り返し学習が必要なんです。
覚えていないことを責めないでほしいと思います。
忘れているだけ、こぼれてしまっただけ、だからまた覚え直せばいいんです。
日々新たに学んで覚えていないことは、海の底に沈んでいるようなものです。
それを繰り返し学習することで、海面に近いところまで引きあげていく。
何度も何度もそれを繰り返して、陸地まで引きあげたらいいんです。
1度習ったことは0の状態とは違います。ないのではありません。
記憶の奥底に沈んでいるだけ。
それを引きあげる作業が復習です。
忘れていたら、もう1回繰り返そう、復習したらいいじゃない?
そんな大らかな気持ちが、見守る側、指導する側には必要なのではないかなと思います。
特に、中学受験生は、学校の学習内容と塾での学習内容の開きが大きいものです。
両方の学習内容を1度で理解し、覚えるのはなかなか大変です。
忘れることは悪いこと、覚えられないのはだめなこと、という意識を生徒さんに持たせることなく、
「忘れちゃった、だから、やり直す」という姿勢を身につけられるように指導することが一番大切だと思います。
ただし、繰り返し学習していることを覚えていないのは、何らかの問題があります。
そもそも理解していない、授業を聞いていない、理解しよう・覚えようという意識が薄い、復習をしないetc
その場合は、原因を探って対処が必要になりますが。