「がんばって!」「がんばろう!」よりも「がんばってるね」
こんばんは。大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
新学年になって1か月が過ぎようとしています。生徒たちの中にも疲れが見え隠れする子が出てきました。学校生活で、塾で、無意識のうちに神経をつかっているんだろうな~と思います。それでも学校の勉強も塾の勉強もがんばっています。
そして、受験生をもつお父様、お母様もほんとうにがんばっていらっしゃいます。
仕事、家事に加えて、お子さんの勉強管理。学習スケジュールや宿題チェック、プリントや補助教材の整理、塾の面談、説明会etc……。すべて志望校に合格してほしい、成績を上げてあげたい。その一心でがんばっていらっしゃいます。
そして、その思いから、「がんばって!」「がんばろう!」という言葉をよく聞くのもこの時期です。新学年になって気分を新たにがんばろう! そう思いますよね。
でも、お子さんは十分がんばっているんです。学校で5~6時間授業を受け、週に3日塾に行き、学校の宿題と塾の宿題をする。さらに家庭教師の授業がある。まだ10年前後しか生きていない子どもたちがこれだけのことをこなしているのはすごいことです。だから、「がんばって!」「がんばろう!」をちょっと変えて、「がんばってるね」という言葉をかけていただけるといいな~と思います。
私も兼業ですが主婦をしていたことがあるのでわかりますが、家事を毎日こなしていてもほめられることはあまりないですよね。一生懸命やっても誰にも感謝されないしねぎらってももらえない。そんなふうに思っているところに「ここ、汚れてるけど。もっとちゃんとやったら?」とか「がんばれよ」と言われたら、爆発しそうになりますよね。「気づいた人間がやればええやろ!」とか「どんだけやったらええねん」とか思ってました。「ほめてくださいとは言わん! でも否定するな! 認めてくれ!」と。
お子さんも同じです。勉強は子どもの仕事。受験をするならなおさらしっかりやらなければいけない。やって当たり前。でも、お子さんはとてもがんばっている。そこで「がんばって!」と言われたら、「がんばってるよ……」となってしまう。でも、「がんばってるね」と認めてあげると、お子さんは「がんばってるってわかってくれてるんや」と安心し、お父様・お母様を信頼し、気持ちをほぐすことができる。すると、やる気も上がります。発破をかけるよりも効果的です。
「がんばって」の後にあと2文字だけ付け足して「がんばってるね」と言ってみていただけたらなと思います。
そして、お父様、お母様がお子さんに「がんばろう!」というときは、お子さんだけでなくご自身に対しても言い聞かせているように感じることがあります。お父様、お母様も十分がんばっていらっしゃいます。ですから、ご自分のためにも「がんばってるね!」と声をかけてあげてください。
私も1週間の終わり、最後の授業が終わると、自分に「よくがんばった!」と言うようにしています。30代までは「もっとがんばらないと!」と言ってがんばれていましたが、40代になって「もっとがんばらないと!」と思うとしんどく感じるようになりました。忙しい、やることが多くなっているときこそ自分で自分をいたわるのも大事だなと感じています。