【国語の苦手を克服】説明文読解のポイント②

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

説明文の読解ポイントの続きです。今回も3点。

④具体と抽象を押さえる。

具体的な内容を抽象化するとはどういうことか。そもそも具体と抽象ってなに? という生徒さんはとても多いので、その話から。

具体とは、「物事が、直接に知覚され認識されうる形や内容を備えていること」。抽象とは、「事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること」ということですが、簡潔に説明すると以下のようになります。

【具体】柴犬・秋田犬・土佐犬・プードル・チワワ — 犬【抽象】

柴犬・秋田犬・土佐犬・プードル・チワワが具体例、それを抽象化したのが犬になります。柴犬・秋田犬・土佐犬・プードル・チワワに共通する性質などをぬきだすと犬になるということです。これを文章で行うのが、抽象化するという作業です。具体と抽象はお互いに言い換えが可能です。特に抽象の部分には筆者の意見が書かれていることが多いのですが、説明文の抽象の部分では要するにどういうことかが説明されていたり、具体の部分では抽象化されてぼんやりとしか理解できなかったことがわかりやすく説明されているので、理解を深めるのに役立ちます。

具体的なものを抽象化するとき、大きなヒントとなるのが、「たとえば」「例を挙げましょう」などの言葉です。「たとえば」から始まる一連の内容の前後に筆者の主張が抽象化されて書かれていることがとても多いのです。

 

 

⑤同格(言い換え)を押さえる。

文章では、筆者が伝えたい事柄は、形を変えてくり返されます。同格とはその言い換えのことです。この言い換えには、説明文読解のポイント①の③で説明した比喩と例示と④の具体と抽象を押さえることが必要です。どことどこが同じことを言っているのかを意識することです。③と④がきちんとできていればいいので、この⑤は不要かなとは思ったのですが、比喩・例示・具体・抽象はすべて同格を押さえることにつながるということを強調するためにあえて入れました。また、③・④以外に、「何が~何だ。」「~という」という文の構造を押さえること、「つまり・要するに」などの接続語に注意して読み取りましょう。これらの点に注意して読むと、どことどこが同じことを言っているのかがわかり、文章の中心となっている話題・段落ごとの要点をが明確にとらえられるようになります。

 

⑥因果関係を押さえる。

因果関係とは、原因と理由、その結果のことです。原因・理由を押さえてその結果どうなるのか、何が原因・理由でそうなったのかを押さえることです。「~からです」「~なのです」「だから」「なぜなら」などの言葉に気をつけて原因と結果を押さえましょう。説明文では、ある事柄の原因と結果が書かれていることがあります。ある事柄が生じるのはなぜかという点は問われやすいので、なぜそうなるのか、このことが原因でどんなことが生じるのかを考えながら読みましょう。