【国語の苦手を克服】説明文読解のポイント①

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

説明文の読解は小学校1年生から始まります。1年生の教科書にある動物の話などは基本的に説明文です。説明文を理解できなければ論説文を正確に理解することはできませんから、あなどってはいけません。説明文の読み取りができなければ入試で頻出の論説文は理解できません。ちなみに、説明文の出題率は論説文より少なくなっています。筆者の主張の読み取りはぜひとも見たいところなので、そうした傾向になるのは当然と言えます。

では、説明文の読解ポイントについて書いていきます。長くなるので分けていきます。まず、今回は3点。

①接続語を押さえる。

語と語、文節と文節、文と文などをつなぐ言葉で、前後のつながりの関係を示す言葉ですから、しっかり覚える必要があります。逆接の「しかし」や、理由を説明する「なぜなら」、言い換えて説明する「つまり」、具体例を示す「たとえば」などは理解できている子は多いのですが、意外と落としやすいのは並列の「また」。並列関係を軽視すると、意味段落分けに影響したり、小5の後半~小6の記述解答作成時に影響したります。解答の根拠となる場所に並列の「また」がある場合、前半しか解答に入れていないという子は「また」の読み落としが多い。

余談ですが、記述解答の根拠に「また」がある場合、この言葉の前後が対等であるという意識が乏しい子、抽象化する力や同意表現の押さえが甘い子は要素不足の解答を作ります。たとえば、該当部分をそのまま記述解答に使用すると字数オーバーをする。だから「また」を含んだ部分を抽象化したり言いかえたりする必要があるのですが、それができない。もしくは、「また」とあるけれど感覚的に前にあるほうが大事そうだからそれだけ入れるという間違った判断をする。その結果要素不足が発生し減点されます。

なお、接続語と同じ言葉で副詞になるものもあります。そうした言葉との区別もできるようにしてください。「また」は先ほども述べたように、並列関係を示す接続語です。しかし、副詞の「また」は反復を表します。

A:鯨は哺乳類である。また、ゾウも哺乳類である。→接続語

B:私はまた母に叱られてた。→副詞(「また」は「叱られた」を修飾)

こうした識別もできるようにしておきましょう。

接続語の働きをしっかり覚えておくこと。これは小4の間に固めてしまいましょう

 

②指示語とその内容を押さえる。

指示語とその指示内容は必ず確認しましょう。指示語(=こそあど言葉)の理解はすべての文章読解で必要です。指示語が出てきたら、その前後をしっかり読みましょう。指示語は基本的には前にあることが多いのですが、後ろにあることもあります。「たとえば、こんな話があります。南極大陸で……」とあった場合、「こんな話」はこのあとに話す「南極大陸で……」で始まる部分です。また、指示内容をたどるとその部分に指示語がある場合もあります。その場合は、指示内容を複数押さえる必要があります。これは、読解問題でよくあるので注意しましょう。そして、「指示内容はここだ!」と思ったら、必ずその内容を指示語にあてはめて意味が通じるか確認しましょう。そのままあてはめて通じる場合と、内容が変わらないように文末表現を調整して通じる場合は、正解です。意味が通じなければ間違っていると考えましょう。読解問題では、傍線部の指示語だけでなく、傍線部の直前直後の指示内容は必ず押さえましょう。指示語にあえて線を引かず、指示語を押さえる必要があることに気づけるかを見る問題になっていることはよくあります。

 

③比喩と例示を押さえる。

「説明文で比喩?」と思われるかもしれませんが、これは筆者がある事柄を説明する際に、読み手の理解をうながすことを目的として使うことがあります。

たとえば、「ハニカム構造」の説明の場合。「ハニカム構造とは、正六角形もしくは正六角柱を隙間なく並べた構造のことです。」と言われても理科で習っていない学年の生徒の場合はピンとこないかもしれません。しかし、「ハニカム構造とは、正六角形もしくは正六角柱を隙間なく並べた構造のことです。たとえば、ハチの巣があります。(→例示)」と説明されれば、すぐに思い浮かべることができるでしょう。

また、「川の蛇行」の説明の場合。「川は浸食と堆積を繰り返し、蛇行していきます。」よりも、「川は浸食と堆積を繰り返して、まるで蛇がうねっているような(→比喩)形状になるのです。」としたほうが、イメージしやすくなりますよね。

説明文の比喩や例示は、何を説明しているのか注意しながら読みましょう。もちろん、論説文でも必要なことですし、物語文では当然ですね。

論説文や随筆文でおなじみの外山滋比古さん。比喩を用いた説明は秀逸です。「グライダー人間」や「飛行機人間」など。「思考の整理学」などに出てきますが、イメージしやすくなります。