「授業中ぼーっとしている」と言われたこと、ありませんか?

こんばんは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

小学校低学年の生徒さんは「なんで?」「どうして?」という気持ちがとても強いです。お父様・お母様はお子さんが幼児の時、「なんで?」という質問攻めに苦労されたのではないかと思います。それが低学年、特に1年生にはそれがまだまだあります。「なんで?」「どうして?」と思うことは、今後の人生を左右する大切な力です。小学校に入り、大人がなんとも思わないことについて「なんで?」と聞いてくる。それに対して、きちんと向き合って解決してあげないと、子どもは「なんで?」と聞く気持ちを失ってしまい、そのうち考えることをやめてしまいます。「今の子は意欲がない」「自分で考えようとしない」なんて言われますが、子どもは本来とても知りたがりです。その意欲を消してしまってきたのは、大人ではないかと思うのです。

たとえば、こんな事例がありました。小学校低学年の生徒さんの例です。学校や塾の先生から「授業中ぼーっとしてい手が止まることが多い。集中力がない」と言われたそうです。驚いたお母様はお子さんに、「授業中になんでぼーっとするの?」と聞きました。ところが、お子さんは「ちゃんと聞いてる。考えてる」と言うのだそうです。でも塾からも学校からも「ぼーっとしている」と言われる。授業の様子は見られないし、お母様もお仕事をされていて、ご家庭で勉強している様子もじっくり見られないため悩まれていました。

 

この「ぼーっとしている」ように見える状態は、ものすごく判断が難しいのです。ぼーっとしているように見えるけれど、本人は真剣に考えているということがあるからです。

これは小学校受験で物語を聞いて質問に答える形式に慣れているお子さん、幼いころから読み聞かせをして質問に答えることに慣れているお子さん、暗算が非常に得意なお子さんに多いように感じています。

小学校受験で物語を聞いて質問に答える形式の場合。聞いたことを思い出して答えますよね。これが小学校の国語の勉強にはないところです。国語ではまず文章を読み、質問に答えるときはその文章にもどって答えを考えます。物語を聞いて質問に答えることに慣れている子は、記憶をたどる習慣がついているため、視点が教科書からずれることがあります。また、暗算が得意なお子さんの場合。計算をしているときに視線が宙を向いていることがあります。

宙を見つめて記憶をたどる、暗算をする。この場面を大人が見ると、「ぼーっとしている。考えていない」かのように見えてしまいます。でも、実際は違うんですね。記憶をたどったりしっかり計算をしたりしているのです。

それなのに「ぼーっとしている」と言われたら、やる気をなくしてしまいます。

この見極めは正直難しいです。一人一人の癖まで見ていないと気づきません。集中力が切れたときの動作、視線の動きがどうなのか、考えているときはどうなのか、見抜かなければいけません。

できていないことを指摘することは必要です。でも、その前にその指摘が本当に正しいのか、できているところを見ることができているか、そういったことまで考えることが必要です。

小学校1年生~3年生くらいまでは、お母様がいっしょに宿題を見る機会も多いと思います。そのとき、ぼーっとしているように感じたら、解いている部分について「どこまでわかった?」といった質問をしたりして、本当にぼーっとしているのかどうか、確認するようにしてみるといいのではないかなと思います。