高3生向けー私大公募推薦入試の現代文
このブログでは、中学入試をメインにしていますが、たまには大学入試について書いてみようと思います。
私の指導対象は小学生~高校生。
例年、高校生は5月~9月に依頼が増え、その内容は公募推薦・AO入試対策。現代文・小論文指導がものすごく多いです。偏差値は河合全統でだいたい28~40あたり。これが小6中学入試だったら、まず受けません。しかし、大学入試では基本的に受けます。理由は簡単で、メンタル・体力の影響を小学生よりも受けにくく、無理・無茶がきくから!!
ただ、最近は5月段階ですでにすべての枠が埋まるため、新規で高校生を受ける場合は、22時以降の1時間が限界です。
というわけで、授業はわからないところをとにかく解消する時間。基本は家庭学習です。
4年前の6~9月、塾の個別指導と家庭教師で5人の大学受験生を新規で見ることになりました。
指導開始時、偏差値40を超えている生徒は一人もいませんでしたが、全員偏差値50~58の大学に合格しました。このレベルの公募推薦を目指すなら、今からでもどうにかなります。ただし、徹底的に自分にシビアになる必要があります。
具体的な勉強法
★語彙力と漢字力をとにかく強化。
語彙は桐原書店の『頻出現代文重要語700』を押さえる。
漢字は駿台文庫『生きる漢字・語彙力 』がお勧めです。
画期的!とか、楽に覚える!なんて美辞麗句で彩られた参考書・問題集ではありません。いずれも本当に昔からあるオーソドックスなもの。でも、これが一番効果がある。とのこと。(生徒談)
それは私も思います。趣向を凝らしたものって、本質的な部分から意識がそれやすいんです。楽しい! おもしろい! だから力がつくわけでもない。マンガ形式の用語集とかでも役に立つものはありますから否定はしませんし、小中学生なら私もすすめることがありますが、どうしても情報が少なくなりがちです。
短期間できっちり力をつけるには、上記がおすすめです。
漢字と語彙力がとにかくないという人は小学校の漢字から復習。これ絶対必要。
大学の入試、漢字の書き取りに小学校の漢字、出ますよ。
漢字が簡単=言葉が簡単なわけではないんです。
読み間違いの多い例として「出生率」。「しゅっせいりつ」ではありません。
「定石」。読めますか? 「ていせき」ではありません。
「げんちを取る」「そうさいする」「滅多にないしろものだ」。
赤の部分のひらがな、漢字に直せますか?
いずれも小学校1~5年生までに学習した漢字です。
「言質(げんち)」は偏差値60以上の大学でも出題されたことがあります。言葉の意味がわからないという人も多いですね。
★読解力を強化!
読解力がないとまず受からないので・・・。
文章を読むのがとにかく無理!現代文が壊滅的!という人は、
受験研究社の
『トレーニングノート現代文α』
『レーニングノート現代文読解α』をまずしっかり学習する。
このとき、以下の点を徹底しましょう。
文の主語・述語を確認していく。
指示語内容をすべてチェックしていく。
接続語の前後関係を理解する。
言い換え表現をとにかく押さえる。
設問で何が問われているのかを押さえる。
上記、一つでも手を抜くと意味がないので、真剣にやること。
『トレーニングノート』シリーズは、文章量が短めですが、基礎固めにはとても役立ちます。
これができたら、河合塾の『入試現代文へのアクセス』シリーズに進みましょう。基礎からね。同時に過去問をどんどん解いていきましょう。
そこまで文章を読むことに抵抗がないという人は、
河合塾の『入試現代文へのアクセス』シリーズから入るのもいいと思います。
予備校の先生が出しているものの中では、田村秀行先生のシリーズがおすすめです。ミスがないので…。有名な先生の問題集、質はいいのですがあまりに解答ミスが多いものもありますから、このあたりは注意が必要です。
今から必死に勉強しようという人は、語彙と漢字を1か月で3サイクル終わらせましょう。
読解については、1冊を7~10日で終わらせることを目標にします。
解説を読んでもわからないものは、塾・予備校・学校の先生に確認しましょう。