夏になると思い出すー1
こんにちは。
大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。
本日は昼間の授業も夜の授業も休みになるという数年に一度のまれな事態が起き、一息ついています。
この時期になると思い出す生徒のこと。
7月の模試の国語偏差値24。でも、11月の公募推薦入試に受かりたいからと指導を依頼してきた高3生のことを。高校のレベルは大阪府内で偏差値60程度でしたし、高校の評定平均は4.7あったので指定校推薦でなら上位有名校に入れる。でも指定校推薦は実力がないのに受かるのがわかっているからいやだ、そしていわゆるFラン大学には行きたくない、と言う。しかも、国語は小学校から苦手で高校入試の段階でも国語がぼろぼろ。他教科がよかったから助かったという生徒。なぜ文系大学に行くのか…という成績。
でも、国語の偏差値24、英語の偏差値45という力ではFランが限界。しかも、国語は小学校から苦手で高校入試の段階でも国語がぼろぼろ。他教科がよかったから助かったという状態。偏差値50の大学だってそこそこの倍率がある。これほど引き受けるべきか迷った生徒はいない。でも、根性がありそうだったので引き受けることに。ただし、第一志望校は河合で偏差値52。ほぼ絶望的ということは伝えたうえで。体力と根性のある高校生男子なので容赦なくいこうと決めました。
8月は中学受験レベルの文章読解からスタート。そして文節、品詞、主語・述語・修飾語といった文法を要約と同時に指導。語彙力も足りないので、中学受験用の語彙集の暗記をスタート。
9月になり、現代文の田村秀行先生の問題集を5冊消化。同時に宿題では授業の復習+トレーニングノートの現代文αとβを消化。ここから大学入試用の語彙集に切り替え。
10月はひたすら過去問消化。センター過去問と志望校過去問を徹底的に。10年分くらい解かせました。模試の国語の偏差値は58に。
そして11月上旬の入試。公募推薦で第一志望合格。
わたしが20数年指導してきた中で、一番短期間で成績を上げた生徒でした。これは彼が一本筋の通った高校生だったこと、部活とバイトを3年間両立してきて根性があったことが大きかったと思います。言われたことはすべてやる。実力がないまま実力以上の学校には行きたくないという信念。私が出す膨大な課題を一度も忘れることなくすべてやってきた。学校の授業もあるのですからそうとうしんどかったと思います。私もこんなにしんどかった生徒はいませんでしたが…。学力的にも精神的にも…。
やる気が本当にあるなら、短時間での成績向上は不可能ではない。夏の暑さに体力を奪われ、仕事がとんでもなく忙しくなってくるたび、彼のことを思い出して「限界を超えてやろう」と自分を奮い立たせています。