詩の学習のポイント

こんにちは。

大阪・神戸・京都の国語専門家庭教師住吉那巳枝です。

詩は感性が豊かでなければ無理という思い込みが一番、詩の理解を妨げ、生徒さんのプレッシャーとなります。むしろ感性・感覚に頼った主観的読解をしたら点は取れません。

入試で問われる問題は感性に依存したものではありません。詩の流れ、詩の中で繰り返される言葉、題名、表現技法に手がかりがあります。これらをきちんと押さえていれば満点は取れなくても、合格に必要なラインはとれます。感性は人によってまちまちです。感性に依存する問題ということは、作問者の感性も影響します。その時点で問題として成立しません。また解釈が複数予想されるような部分については作問ミスが生まれる可能性がありますから、その部分が問われることは基本的にないと考えていいのです。

詩の問題の手掛かりはすべて本文中にあるということを忘れないようにしましょう。

それでは、詩の読解のポイントです。

①題名に注目

ここには詩のテーマがそのまま示されています。また作者が伝えたい中心となる思いが暗示されてもいます。題名は必ず読みましょう。

②表現技法を押さえる

必ず押さえるべきは、直喩・隠喩(暗喩)・擬人法。それぞれの比喩が何をたとえているのかをきちんと押さえましょう。

また、倒置法や反復法(同じ言葉の繰り返し)、対句法(対になる表現。たとえば「太陽は眠り、月は目を覚ます」。「太陽」と「月」が対、「眠り」と「覚ます」が対。)も注意が必要です。筆者が強調したい事柄が記されている可能性が高いのです。

③連のまとまりに注意

連とは、通常の文章における段落にあたります。通常の文章では段落の初めは1字下がっていますが、詩では1行あいています。連ごとのおもなテーマを捉えていると、詩で描かれている場面の変化、内容の変化を正確に捉えることができ、作者が最も表現したいことが捉えらるようになります。

④客観的に読み、問われていることを正確に押さえる

詩を読むときには、「私ならこう思う」という感覚を排除しましょう。筆者は何を伝えたいのか、通常の文章とは異なる詩という形を用いて、様々な表現技法を用いて、何を表現したいのかを詩の言葉から理解することです。たとえば、倒置法が使われているなら、「ここに筆者の感動の中心があるのかも?」と考えて読むのです。また、詩の内容に意識がいきすぎて、問われていることを正確に押さえずに答えてしまうことがないようにしましょう。これは、すべての問題に共通しますが…

詩の読解を一番難しくしているのは、「詩は感性が豊かでなければ読めない」という思い込みです。入試で、そもそも詩の問題で満点を取る必要はありません。まずは詩は難しい、感性が必要という思い込みを捨てることから始めましょう。