言われたことしかできないんです

 

この時期、体験授業をすると、

「宿題しかできないんです」「やりなさいと言ったことしかしないんです」「自分から動けないんです」

という言葉を本当によく聞きます。特に小学校4年生・5年生の保護者の方からよく聞きます。女の子よりも男の子が多いですね。でも、言われたことをできるというのは、評価されるべきことではないでしょうか? 言われたことを言われた通りにできることは基本です。世の中みてください。言われたことをきちんとできる大人、意外といませんよ?自主的に動く大人のうち、言われたこともきちんとやれる人は意外に少ないと思いませんか? 両方できる人は仕事ができる人です。でもそういう人は少ないと思いませんか?言われたことすらきちんとできていないのに、「自主性を大切に! 主体的に動きましょう!」というのは、なんだかおかしくないですか?社会に出て、言われたことができないのに自分でどんどん動く人ってどうでしょう?

 

まずは言われたことをきちんとできていることをほめてあげましょう!

 

自発的に動くのは、それからでも遅くないのです。言われたことしかやらない子より、親の目にあまらない範囲で自分からどんどん動く子のほうが私は危険だと思って接しています。そういう子をまわりの大人は積極的、主体的で手がかからないと見なすことが多いものです。目にあまる子は、積極的だけれど言われたことをきちんとできない! 落ち着きがない! と言って周囲の大人は注意します。でも、親の目にあまらない範囲で自分からどんどん動く子にもこの傾向があるんです。手がかからないからか、積極的、主体的という思い込みが勝るからか、実は言われたことをきちんとできていないことにまわりの大人は気づかない。もしくは気づいていても、「この子は主体的だから、まあ、いいわ、少しくらいできなくても」とおおめに見ていることが多いと感じます。

 

言われたことをきちんとやれる。このことをもっともっと評価して、誉めてほしいと思います。