偏差値20UP

小6後半最初の志望校判定模試の結果があちこちで出始めた先週と今週。

この時期が、私としてはなにげにけっこうつらい。ポンと偏差値が急上昇する子と、10月~12月の上昇に向けてくすぶる子がはっきり分かれるからです。これは小6で2~4月開始で12月までの最後の模試までの期間で見た場合ですが、私の生徒はだいたい偏差値が大きく上昇する時期が二回あることが多いです。だいたい指導開始して3か月以内に上昇(その後若干低下・停滞)それから半年以内に再度上昇。今年もそのパターンが多いのですが、一度上がったあとの低下がちょっと危険信号な子がいました。口頭での問答やテキストの解き具合から力はついてきていることはわかる。でも、模試になると、ものすごく緊張してしまい、時間配分をまちがえて文章をほとんど読まずに解いてしまったり、ちょっとしたハプニングでパニックになったり。

いろいろ分析した結果、弱点をつぶしていくこと、まちがえた原因を本人に考えさせること、そしてプレッシャーをかけないことをすべきだという結論に達し、対策を取りました。

成績低下が続いた期間、とにかくまちがえた原因を徹底的に考える。自分で解決できなくてもいい。できないものはこちらが質問しながら、わかるようにしていく。週4時間の授業時間を最大限有効活用する。とにかくなぜできないのか、なぜまちがえたのか、どうして解答と異なる点に着目したのかを、本人が考え、それをこちらがフォローする。

そして、これまで毎回目標点を決めていたのを、やめました。本人にどのくらい取りたいかを聞いていたのですが、もしかしたらそれで自分で自分にプレッシャーをかけて緊張を助長している気がしたのです。今回は点数についてはいっさい触れることをやめ、設問文を先に読もう、記述の指定や空欄の前後の言葉を見落とさないようにね、といったテストでよくやる問題点を指摘する程度にとどめました。

その結果、偏差値20上昇! 正直9月は無理かも、10月になるかな? と思っていたのですが、予想より早く上がってくれました。

今回の上昇の一番の要因は、まちがえた原因を生徒自身がしっかり考えてくれたことです。考えた結果わからなくてもいい。わからない部分は私が誘導してわかるようにしてく。

自分でまちがえた原因を考えることで、自分ができていないことから目をそらさなくなる。自分の現状を意識しなくても見ることになる。これが一番大切なのです。

点数が悪いことはいけないことではありません。でも、できるはずの問題ができていない。そして、そのことから目をそらしてしまうのはいけない。成績が伸び悩む生徒は小学生から高校生まで、もれなく現状認識能力に問題があります。現実から目をそらさない。自分のできないところを認める。これは成績を上げるコツであり、人として成長し続けるコツでもあるのです。