線の引き方・本文と設問文の読む順番・解く順番

「どこに線を引いたらいいですか?」

「設問文と問題文、どちらを先に読んだらいいですか?」

「文章を一通り読んでから解くのがいいですか? 線や空欄を見つけるたびに解くのがいいですか?」

 

生徒や保護者の方から、とてもよく聞かれることです。

それぞれについて、答えてみたいと思います。

 

まず、「どこに線を引いたらいいですか?」について。

文章に線を引きながら読む目的は、以下の二つです。

A 文章と問われている内容を正確に理解できるようにすること

B 早く正確に問題を解けるようすること

これらを可能にするためにまずは、次の点に線を引いて読んでいきましょう。

【文章で線を引く部分】

①接続語

②指示語とその指している部分

③中心的人物の感情・行動のわかる表現

④繰り返し出てくる言葉・同意表現

⑤傍線部がある文の主語と述語

⑥傍線部の同意表現や対立表現

【設問文で線を引く部分】

⑦問われていることがわかる部分(「なぜ」「どのようなこと」など)

⑧各種指定(「〇字で書きぬき」「〇字で答えなさい」「あてはまらないものを選び」など)

(※主語と述語が苦手で誤読が多い場合は、③設問文の主語と述語)

上記をチェックできれば十分すぎです。

⑤・⑥については、線を引かなくても理解できているなら不要です。④と同時に処理できることもありますし。

 

次に「設問文と問題文、どちらを先に読んだらいいですか?」について。

これは、正直、どっちでもいい! です。

特に精読ができている生徒については、どちらでもいいです。

私自身は、生徒によって時期によって変えています。

小5(小6前半)までは基本的に文章を先に読むようにしています。

小6(小6後半)からは、線を引きすぎる癖がある子、時間配分を間違えやすい子、後半の問題がいつも白紙になる子、文章を読んだ段階で集中力が切れそうになる子などについては設問文を先に読んで、上記の①~⑥の中で設問と関わる部分を重点的に線を引くようにしています。そのときは、上記の⑦・⑧に加えて、⑨選択肢中の重要語(=複数の選択肢に出てくる言葉・選択肢の主語と述語・複数の選択肢に出てくる同種の言葉)にも線を引くように伝えることもあります。

 

最後に「文章を一通り読んでから解くのがいいですか? 線や空欄を見つけるたびに解くのがいいですか?」について。

これもどちらでもいいです。ただし、都度解くという方法を避けたほうがいい生徒がいます。それは、「保留にするという決断ができない子」。答えはそれまで読んだ中にあるとは限りません。冒頭の傍線部の答えの根拠が文章の終わりにあることもあります。一つのことが気になって止まってしまう子は避けたほうが無難です。反対に、「この問題はいったん保留、あとで考えよう! という判断がさっとできる子」は後者で解くほうが効率がよくなることが多いです。

ちなみに、私自身は選択肢の多い入試問題やセンターの問題を解くときは、設問文を先に読みます。明らかにこのほうが(私には)効率がよいのです。一方記述が多めの中学入試問題の場合は、文章を先に読み、一通り読み終えてから問題を解きます。高校入試問題は文章読みながら、都度解答していきます。問題分析や校正、生徒の授業準備などで、短時間で効率よく解けるようにした結果です。

 

様々な生徒を見てきましたが、正確に文章を読む力がついていれば解き方についてこの方法が絶対に正しい! なんてものは存在しないと感じています。実際、線はまったく引かないのに常に偏差値65以上の生徒がいました。今年もいます。過去に教えた生徒たちの中には、文章を頭の中で図式化したり、視覚化したりしていました。そういうタイプも実際にいるのです。私もどちらかというとそのタイプです。ですから、生徒に線引きをすすめるときは生徒のタイプによって引き方の指示を変えています。

一人一人の性格や個性、弱点によって、合うやり方は異なります。自分にあったやり方を小4~小5の時期に見つけ出すようにすることをおすすめします。

絶対に避けた方がいいのは、文章に線を引きながら、出来事や人物の気持ち、場面などをメモ書きするという方法です。そこまでする意味はありません。そんなことをしているとテストではまず時間が足りなくなります。メモ書きをするなら、答え合わせが終わって、間違えていた問題について、なぜ間違えたのかがわかるように、メモ書きをすればいいのです。

 

すべての基本は、文章を正確に理解する国語的論理的思考力を身につけることです。(ここで、国語的と言ったのは、算数的論理的思考力というものが別に存在するからです。)

その上で文章を先に読むか後に読むか、どの順で問題を解くかなど自分にあったやり方を見つければよいのです。