新小1生が悩むかなづかい 1)長音(伸ばす音)

漢字のトメ・ハネ・ハライに続き、これから1学期の間で、新小1生とお母様方を悩ませるのが、かなづかいです。

今回は長音について。

日本語の伸ばす音表記には以下のような決まりがあります。これは、文部科学省文化庁により定められています。

①ア列の長音は、ア列の仮名に「あ」を添える。(例:おかあさん・おばあさん)

②イ列の長音は、イ列の仮名に「い」を添える。(例:にいさん・おじいさん)

③ウ列の長音は、ウ列の仮名に「う」を添える。(例:くうき・ふうせん)

④エ列の長音は、エ列の仮名に「え」を添える。(例:ねえさん)

⑤オ列の長音は、オ列の仮名に「う」を添える。(例:おとうさん・おはよう)

 

④と⑤については注意が必要です。

まず④。これについては、実際はエ列の長音にエ列の仮名の「え」を添えるものは「ねえさん」のみで、実際は、【エ列の 仮名には「い」を添える。】と覚えるほうがよいです。それでは、ちょっとここで問題です。「ケーキ」は、ひらがなにすると「けいき」「けえき」どちらでしょう? 答えは「けえき」です。カタカナ表記で使う「-」(「長音符号」・「音引き」と言われる記号)は、ア列の長音は「あ」、イ列の長音は「い」、ウ列の長音は「う」、エ列の長音は「え」、オ列の長音は「お」とそのまま読みます。実はこれ、辞書を見ればすぐにわかるんです。「ケーキ」を国語辞典で引くと、「けう(稀有)」よりあとにありませんか? 「けいき(景気)」は「けう」のずっと前にありますが、「ケーキ」「けう」のあとにあります。辞書はあいうえお順です。当然、二文字目もあいうえお順です。「けいき」「けう」「ケーキ」の順になっています。このかなづかいがわかっていないと、辞書を引くときに足を引っ張られます。

また、⑤には、例外が多数あります。小学生レベルで必要な例外となる代表的な言葉は以下の通りです。おおかみ・おおやけ(公け)・こおり(氷)・こおろぎ・ほお(頰)・ほのお(炎)・とお(十)・いきどおる(憤る)・おおう(覆う)・とおる(通る)・とどこおる(滞る)・もよおす(催す)・いとおしい・おおい(多い)・おおきい(大きい)・とおい (遠い)・おおむね・おおよそ・おおらか

※( )の漢字は常用漢字(小・中・高で学習するもの)

⑤については、特に注意が必要です。これは小学生から高校生まで、間違っていることに気づかないまま過ごしている生徒が意外と多いのです。去年、とある塾の中学受験生対象の小6模試で「通り」という漢字の読みが出題されました。小2で学習する漢字ですが、「とおり」ではなく、「とうり」とした生徒が一定数いました。「通」という漢字は小2で習い、その後、学校の宿題などでも書き取りの練習はしますが、読み取りの練習はあまりしませんから、見落としやすくなります。また、高3生で記述問題の解答に「いきどうった」と書いた生徒もいました。当然減点です。高3なら漢字を使えと思いましたが、それ以前の大問題に気づき、頭を抱えました。

たかがかなづかい、されどかなづかい。

1年生の学習は簡単なものという思い込みは捨て、基本をしっかり身につけるようにしてください。

子どもがつまずくところは、一見「なんでこんなところで?」というものがありますが、そのような部分は「大人もなぜそうなるのかをきちんと理解できていないままきてしまっている」ことが多いのです。学習上の盲点とも言えるかもしれません。そして、そうした部分が中学入試の問題にはからめられています。中学入試では高度な思考力ももちろん重要ですが、どの学年の学習内容であっても、基本を正しく理解して覚えることがなにより重要ではないかな、と思います。

(なお、仮名遣いと読み仮名はわけて考えるものとも言われます。それはその通りですが、実際は密接に関わりあっていますので、ここでは漢字と絡めて説明しています。)