小学国語 学習指導要領改訂・教科書改訂の影響は来年の小4から

学習指導要領の改訂とともに、学校の教科書は基本的に4年に1回、改訂が行われます。

学習指導要領は

小・中→高の順番に1年ずれて順に改訂されます。

直近でいうと

【小学校・中学校】

28年に学習指導要領改訂

→29年に新学習指導要領の周知徹底

→小学校32年全面実施

(30・31年は移行措置期間)

→中学校33年全面実施

(30~32年は移行措置期間)

【高等学校】

29年に学習指導要領改訂

→30年に新学習指導要領の周知徹底

→34年全面実施

(31~32年は移行措置期間)

これにしたがって、教科書は

小→中→高の順番に1年ずれて順に改訂されます。

次回教科書が新しくなるのは、

小学校32年

中学校33年

高等学校34年

周知徹底から全面実施までの空白の期間は、移行措置期間といい、

現行教科書に加えて一部新しい教科書で学習する内容が追加されます。

小学国語では、平成30年度と31年度に漢字において移行措置が行われます。

具体的には都道府県名に出てくる漢字をすべて小4までに学習するというものです。

 

たとえば、現行小5で学習している「富山」の「富」や、

中学校で学習している「新潟」の「潟」などが小4で学習することになるのです。

これにより、小学校で学習する漢字は、

現行の1006字(教育漢字)から20字増えて1026字になります。

 

というわけで、これは数年後の中学受験の出題にも影響しますね。

 

漢字の改訂は教材作成者としては、とにかくえっらいめんどくさい!

22年の常用漢字改訂で新音訓と常用漢字が追加されたときには、

その後の1~2年は模試や教材での出題について、チェックがいつも以上にたいへんでした。

国語の教材制作者なら、小1~6の漢字をどの学年で学習するかなんてのは覚えているのですが、

小学校の場合は、同時にすべての音訓を学習するわけではないんですね。

(中学校でもそうですが、そういう漢字は小学校にくらべたら極端に少ないので問題ない。)

各学年で学習する漢字は決まっていますが、音訓については教科書ごとに違います。

 

たとえば、「力」。

訓読みの「ちから」は小1学習ですが、

音読みの「リキ」は光村図書・東京書籍は小4、教育出版は小1、三省堂・学校図書は小2とばらばら。

ですから、模試や標準的な教材を作るとき、

「リキ」の読みは小1で出してはいけない、小5以上で出す、といった指定が発生するのです。

これ、複数の音訓がある漢字の大半について発生。

それでも既存の漢字はだいたい覚えているので問題ないのですが、

ここに新しい音訓が加わると、もうめんどい。

たとえば、小3で習う「育」。

「はぐく-む」の読みが追加されました。

「そだ-てる」は、出題できるけれど、ある年度までは新しい訓読みの「はぐく-む」は出題不可。

「十本」の読みについて、常用漢字表に「『ジュッ』とも。」という文言が追加されたため、

「じっぽん」以外に「じゅっぽん」も正解になり、別解が発生するので出題不可。

などということが生じるのです。

 

模試の漢字の問題は解答ばれ(書き漢字の答えや読みの漢字にルビがあるとだめ)を防ぐため、

一番最後に作成するのですが、読解問題・言語事項問題を作成し、

そこそそ疲れたところにこの作業が入ると、逃げたくなることも。。。

たかだか10問程度なのですが、読解と違い、作業が多くてめんどいのです。

読解問題は頭で考えればいいだけですからね。

 

とはいえ、手間がかかる分、自分が作った模試や教材は子どものようなもの。

自分の元から巣立っていって(世間に出て)、

ちゃんと人の役に立っているかな(生徒の学力向上に役立っているかな)と気になるのです。

どの文章なら学力を測れるいい問題が作れるかな? 興味を持ってもらえるかな?

文章をよむおもしろさを知ってもらえるかな?

そんなことを考えながら、使う文章を図書館で選び、問題を作り、解説作成。

版元さんや塾の先生にチェックいただき、修正。校了。

実施されている現場を見ることはめったにありませんから、修正を出したら、もしくは校了したら、お別れ。

年間40~50人の子どもを送り出しているようなかんじです。

教材となると作成に一年くらいかかりますし、生徒が使っていたり、書店で見ることができるので、

そんなときはちょっとうれしくもあり、こわくもあり。

 

そんなことを考えながら、小学校低学年模試の編集、中学受験と高校受験模試の作成、小論文教材の作成、

大学入学共通テストの対策問題作成、大学入試小論文の分析記事数十校分の作成を1か月半で終わらせなければ…

このほかに大学入試データの作成なんかもあるな…

という現実から、すこし逃避していた夏の朝。

 

今月は授業も60時間くらいあるような気もする。

 

2018年入試で、一人でも多くの生徒が第一志望校に合格できるよう、

教材・模試作成、指導の両方を全力でがんばります。