大学入学共通テストに対応できる思考力の土台は知識  

今年の中学入試は、全体の傾向として、全教科、大学入学共通テストを意識したものとなっていました。他教科の先生方とも話をしましたが、算数・理科・社会、いずれもそうした傾向があるとのことでした。

学んだことを活用する力、論理的思考力に基づいた批判的思考力などを見ていることがわかりやすい問題が増えていたように感じます。

しかし、だからといって来年度以降の中学入試に向けて、何か高度なこと、新しいことをしなければいけない、なんてことはありません。

やるべきことの基本は変わりません。少なくとも国語については。

語彙力と漢字力をしっかり身につけること。その際、考える作業を行いながら、覚えること。書かれていることを正確に読み取れるようにすること。言葉の裏側にある意味を正確に読み取れるようにすること。そして、正しい日本語で、読む人が誤解することのない、わかりやすい文章を書けるようにすること。こうした基本は変わりません。この基本をおろそかにしたら、伸び悩みます。

暗記重視から思考力重視へと変わると聞くと、暗記はしなくていいと考える人がいます。しかし、知識がなければ思考力は育ちません。「暗記重視・思考力軽視」のままずっといくのがいけないのであって、「暗記重視」がいけないわけではないのです。また、「棒暗記」「丸暗記」ではなく、「理解の伴う暗記」であればなんの問題もありません。このことをはきちがえないでいただきたいと思います。一定量の知識を吸収するまでは「理解の伴う暗記重視」は大切です。暗記というと理解の伴わない「棒暗記」「丸暗記」のイメージが強いので、「暗記重視=悪」と思う人が多いのかもしれませんね。

国語を例にすると、正確な知識=文法・語彙・漢字です。こうしたものを軽視したら思考力は育ちません。言葉のないところに思考は生まれないのです。「言葉を自分の中に蓄積する⇒概念をもつようになる⇒思考が生まれる」という流れを忘れてはいけないのです。これは算数でも理科でも社会でも同じです。思考力の土台には正確な知識が不可欠です。